経産省が19年3月に公表した、全国1万1307人のコンビニオーナーから回答を得た「コンビニ調査2018」によれば、「従業員が不足している」と回答したのは61%で4年前の22%から激増している。このような慢性的な労働力不足が進行する世界で、既存店の客数も減り、売り上げも減っていけば、「商圏内にどんどん出店するぞ」なんてことが言ってられるわけがない。むしろ、生き残るためには、人口減少のペースに合わせて店舗の統廃合を進めていくしかないのだ。
つまり、セブンの「不採算店閉鎖を加速」は、カリスマ・鈴木敏文氏の時代から後生大事に守ってきた、ドミナント戦略がいよいよたちゆかなくなってギブアップしているようにも見えてしまうのである。
なんてことをうっかり口走ると、「コンビニの近くて便利という役目、社会インフラとしてまだまだ大きな可能性がある! 縮むとか減るとか景気の悪いことを言うな!」と怒りをあらわにする経済評論家のセンセイ方もいらっしゃるかもしれない。
事実、セブン再生のかじ取りをされている永松文彦社長も歴代社長の方針を踏襲しているのか、「店舗当たりの商圏が小さくなっており数は必要。需要次第で店は増える」(毎日新聞 2019年7月2日)と、”新しい時代のドミナント戦略”を考えていらっしゃるようだ。
もちろん、利用者の立場になれば、セブンが増えるのはありがたいので応援はしたい。が、歴史を振りかえれば、永松社長のように「商圏」にこだわって、ドミナント戦略に固執し続けると、往々にして残念な結果になることが多いのもまた事実なのだ。
代表例が、「小僧寿し」である。
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