なぜナチュラルローソンはカンガルーの肉を売ろうと考えたのか“筋肉市場”を狙う(2/2 ページ)

» 2019年10月28日 05時00分 公開
[昆清徳ITmedia]
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カンガルーの肉に注目した理由

 ナチュラルローソンでは、メーカーと共同で開発した商品だけでなく、美容事業などを手掛けるリベルタ(東京都渋谷区)のサラダチキンや煮卵も販売しているが、その中にちょっと変わった商品がある。それは、カンガルー肉を使った「アスリートのジャーキー ルーミート」(529円)だ。ちなみに、「ルーミート」とはカンガルー肉のことを指す。カンガルー皮革やカンガルー肉の輸入販売を手掛ける「バセル」(東京都大田区)が商標登録している。

photo カンガルー肉を使ったジャーキー

 サラダチキンや煮卵が筋肉を効果的に鍛えたいお客に向けた商品というのは理解できるが、なぜカンガルー肉のジャーキーを売ることになったのだろうか。

 担当者は「カンガルー肉は、赤身肉の最高峰とされています。脂質が牛肉の20分の1といわれており、美意識の高い女性にも人気です」と説明する。

 ターゲットとなるのは、高タンパク・低カロリー料理専門の「筋肉食堂」(都内で複数店舗展開)を利用するようなアスリート食を好む層と、美意識が高くダイエット志向のある女性だ。女性向けの情報番組でカンガルー肉を提供するレストランが取り上げられるなど、注目が集まっているという。

 ちなみに、カンガルー肉はどのようにして生産されているのだろうか。バセルの担当者によると、ルーミートは飼育肉ではなく、オーストラリアの大自然で育った野生のカンガルーを捕獲し、専門工場で精肉しているという。オーストラリアにはルーミート専門店があり、カンガルー肉専用のレシピブックも多数販売されているのだとか。

 同社は1980年代からカンガルーの輸入を手掛けてきたが、近年、需要が増えてきたため、年間50トンまで取り扱い量が増えたという。担当者は「食のトレンドとして、赤身肉への関心が高まっています。外食産業でもジビエ肉がブームになってきました。さらに、健康に気をつかう方や、アスリートの方が食べるようになっています。当社も2014年からルーミートのブランディングに注力しているので、その成果も出ていると考えています」とコメントした。

 カンガルーの肉まで巻き込みながら“筋肉需要”はどこまで拡大していくのか。

photo カンガルー肉(出所:バセル公式Webサイト)
photo カンガルー肉(出所:バセル公式Webサイト)
photo 卵白プロテインバー
photo SABA BAR ソイソース
photo SABA BAR ソルト
photo SABA BAR バジル
photo アスリートのチキン(プレーン)
photo アスリートのタマゴ(燻製)
photo 筋肉食堂(出所:筋肉食堂公式Webサイト)
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