マツダのEVは何が新しいのか?(後編)池田直渡「週刊モータージャーナル」(2/4 ページ)

» 2019年10月29日 07時00分 公開
[池田直渡ITmedia]

 まずは第7世代のCX-30の真横の写真を見てほしい。例えば子供に絵を描かせた場合、クルマの形はいくつかの箱を組み合わせたような形になる。フロントセクションとキャビンとトランクの場合もあれば、レンガのような土台の上にキャビンがちょこんと乗るケースもある。こどもの純真な目にはものの形はそう見える。魂動デザインはそこがもう少しひねくれている。

真横から見たCX-30

 卵のように全部でひとかたまり。イメージとしては生き物の筋肉であり、頭と背骨を持つ造形にそれぞれ筋力が表す機能が盛り込まれる形だ。そういう全体形をまとめ上げるために陰影が必要だった。

 ではMX-30はどうなったかといえば、これはもう明らかに建築的な形になっている。前後のホイールアーチ上部を前後に梁(はり)でつなぎ、ボンネットからテールレンズの上まで前後に一直線のアンダーボディを構築した。その強度感あるアンダーボディに対して、小さく軽やかなキャビンを乗せる形だ。

対するMX-30

 上下に厚ぼったくなって軽快感を失わないように、ボディの下半分をブラックアウトして黒子にした。「ここは見ないでね」というサインだ。

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