クルマはどう進化する? 新車から読み解く業界動向
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» 2019年09月09日 07時00分 公開

池田直渡「週刊モータージャーナル」:EVにマツダが後発で打って出る勝算 (1/7)

マツダが打ち出したEVの考え方は、コンポーネンツを組み替えることによって、ひとつのシステムから、EV、PHV(プラグインハイブリッド)、レンジエクステンダーEV、シリーズ型ハイブリッドなどに発展できるものだ。そして試乗したプロトタイプは、「EVである」ことを特徴とするのではなく、マツダらしさを盛ったスーパーハンドリングEVだった。

[池田直渡,ITmedia]

 昨年10月、マツダは都内で「マルチ x EV計画」の記者発表を行った(記事「明らかにされたマツダのEV計画」参照)。マルチ x EV計画とは、バッテリー、モーター、コントロールユニット、発電用エンジンを構成要素としたシステム・コンポーネンツ化によって、順列組み合わせで、さまざまな電動化ニーズに答える電動化ソリューションである。

マツダが東京モーターショーで発表する新型EVのプロトタイプ。外観はCX-30のダミーデザインが被せられている

現地事情に即したソリューション

 環境問題を解決するためには、電動化は極めて重要だ。世間では「EV(電気自動車) vs HV(ハイブリッド)」はどちらが良いかという議論が盛んだが、冷静に考えるとこれは非常にバカバカしい。

 あなたが病気になった時、「これが万能薬」と言われて、診察もせず「万金丹」を処方されたら納得がいくだろうか? そんなはずはない。医者が正確に病状を診察して、症状に即した薬が処方されるべきだ。時間軸でも、病状の回復度合いによってまた処方も変わっていくべきだろう。

 環境だって同じだ。例えば今回マツダのプロトタイプEVの試乗会が行われたノルウェーでは、電力のほぼ全てが水力発電で賄われており、豊富な石油資源はその多くが輸出に回されて外貨を獲得している。エネルギー自給率600〜700%という極めて特殊な事情の国では、EVを使うことが正しいソリューションになる。

ノルウェーはエネルギー自給率が700%とも言われる。自動車の充電は無料。高速道路にも優先レーンが用意されるなどEV優遇政策が充実している
豊富な発電能力を元にEV環境が整備されているノルウェーのEV事情(マツダ資料より)
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