クルマはどう進化する? 新車から読み解く業界動向

EVにマツダが後発で打って出る勝算池田直渡「週刊モータージャーナル」(4/7 ページ)

» 2019年09月09日 07時00分 公開
[池田直渡ITmedia]

動力源は手段に過ぎない

 社会から与えられた課題は環境だが、そもそもマツダは何を作りたいのか、そこがはっきりしているところがマツダらしい。環境という外的要求に応えつつ「そもそもマツダ車とは何なのか?」という軸が揺らいでいない。

 それは「サステイナブル“Zoom-Zoom”宣言2030」で明確に定義されている。「私たちマツダは、美しい地球と心豊かな人・社会の実現を使命と捉え、クルマの持つ価値により、人の心を元気にすることを追究し続けます」

マツダの「サステイナブル“Zoom-Zoom”宣言2030」

 あえて説明するまでもないだろうが、環境に貢献しつつも「人馬一体」を追求して、「クルマがあると人生が充実する」という価値を追究し続けるということだ。

 「良いクルマとはEVである」とか「良いクルマとは内燃機関車両である」という考え方は、目的と手段が入れ替わっている。マツダにとっては「環境負荷の低減と同時に、人馬一体が味わえるクルマ」が良いクルマであり、推進動力に何を使うかは手段に過ぎない。もちろんその手段にはメリットとデメリットがあって、それぞれに優れているところがある。

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