これまでキャリアに関するコーチングサービスはB2Bのものがメインだった。B2Cのサービスもあるが、多くは役員などエグゼクティブ層向けのサービスで、高価なものがほとんどだという。
また、B2Bのコーチングは企業の人事部主導で行われるものが多いため、どうしても転職に関する話題を出しづらい傾向にあった。例えば、「転職を絶対にする」という気持ちがなくても、所属している企業に縛られないようなキャリアを形成するための相談がしづらい環境にあったという。
パーソルキャリアが展開している転職エージェントでも、キャリアに関する相談はできる。ただ、実際には転職を前提として話が進められることも多く、「今置かれている現状に対してどのようにすれば良いのか、という課題になかなか答えられていない」(清水氏)。クラウドキャリアコーチではこうしたニーズと現状のずれについて、転職を前面に押し出さないサービスで解決し、利用者の間口を広げる狙いがある。
清水氏によると、iXのサービスは「キャリア戦略プラットフォーム」と銘打っているが、そのほとんどは転職に向けたものだ。利用する人も、転職をするつもりで登録する人が多いという。一方で「転職をする回数で、最も割合が高いのは『1回』。転職するつもりで相談してみても、自分の思いや課題が明らかになり、結局転職せずに今の職場に残る人も多い」と清水氏。転職を含めて、自らのキャリアを内省する制度として、コーチングは浸透していくだろうか。
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