「禁煙」を掲げているのに、開店前に店員がプカ〜 これって許されるの?消費者庁に聞いてみた(2/2 ページ)

» 2019年11月20日 05時00分 公開
[昆清徳ITmedia]
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消費者庁の担当者に聞いてみた

 消費者庁の担当者に今回のケースがどのように判断されるのか、聞いてみた。すると、あくまで一般論であると前置きしたうえで「グレーに近いと考えられます」とコメントした。消費者庁では景品表示法に違反しているかどうかを、事例ごとに厳密に調査して判断しているためだ。

 では、どうしてグレーなのだろうか。担当者によると「禁煙」が飲食店で提供するサービスの内容を構成しているかという点が微妙だという。「たばこの煙のない空間」もサービスの一部と考えているお客は一定数存在する。一方、「来店時に煙やにおいが残っていなければ問題ないじゃないか」とお店が主張するケースが考えられる。どの程度においが残っていたら問題なのか、という論点もある。はっきりと違法かどうかを判断しにくい問題のようだ。

 2019年7月、健康増進法が一部改正された。7月1日から学校、病院、市役所といった行政機関の庁舎は原則敷地内禁煙となった。また、20年4月1日からは飲食店、オフィス、事業所を含むさまざまな施設が原則屋内禁煙となり、一定の場所を除いてたばこが吸えなくなる(出所:厚生労働省公式Webサイト)。こういった流れを受けて、禁煙を掲げるお店は確実に増えるだろう。一方で、店員がオープン前にこっそり厨房などで喫煙するようなケースも減るのだろうか。

今後はこんなシールを貼る店が増えそう(出所:厚生労働省公式Webサイト)
今後はこんなシールを貼る店が増えそう(出所:厚生労働省公式Webサイト)
今後はこんなシールを貼る店が増えそう(出所:厚生労働省公式Webサイト)
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