コラム
» 2019年11月23日 07時00分 公開

関東の鉄道各社は、何を「競争」しているのか (4/4)

[小林拓矢,ITmedia]
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鉄道会社は何を競争しているのか

 「選ばれる沿線」――関東圏の私鉄各社が、好んで使う言葉である。都心への時間や運賃の安さだけでは、「選ばれる」ことにはならない。せっかく住むのだから、上質なエリアに、と考えるのは誰もが同じだ。

 相鉄は都心にアクセスできないことで、なかなか他社と同じ土俵には立てなかった。しかし、アクセス可能になることで、相撲でいえば三役に挑む前頭のポジションにはなってきた。そのせいか、相鉄は近年「選ばれる沿線」を強くアピールすることになった。

 相鉄では「デザインブランドアッププロジェクト」を行っている。駅や車両、制服などのリニューアルにより、相鉄の存在感を強く示そうというものである。これも、鉄道会社の競争で勝とうとする意志の表れである。さらに相鉄は、二俣川駅周辺の再開発を行い、多くの人が集まるようになることを目指している。

 一方東急は、南町田グランベリーパークを開業し、地域の活性化を狙う。南町田グランベリーパークと駅名を改称し、全列車を停車させるようにもしたくらいだ。

 そこで、生活関連産業の比較的弱い小田急がどのように出るか、ということも気になってくる。各社とも、さまざまな事業を相乗効果で伸ばし、グループ全体の発展を成し遂げるということが「勝つ」ことなのだろう。

 有価証券報告書を見ると、鉄道会社の強み・弱みというのがよく見える。しかし報告書に出てくるサービスの多くが、沿線住民のためのサービスである。鉄道会社、特に私鉄は、沿線住民にいかに生活のためのサービスを提供できるかが、「勝つ」ことの決め手となっているのではないか。

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