コラム
» 2019年11月23日 07時00分 公開

関東の鉄道各社は、何を「競争」しているのか (2/4)

[小林拓矢,ITmedia]

相鉄と関係する他社は?

 今回の相鉄・JR直通線開通で、海老名や大和からの利用者を小田急から奪えるかどうかも注目されている。では小田急電鉄の19年3月期の有価証券報告書を見てみよう。

 小田急でもグループ全体の営業収益は5266億7500万円で、運輸業では1792億9300万円(前期比1.8%増)、流通業では2106億8100万円(同1.8%減)、不動産業は690億600万円(同0.6%増)である。

 正規雇用の従業員に関しては、グループ全体で1万3938人、運輸7347人、流通1182人、不動産804人となっている。小田急グループは相鉄グループに比べ、運輸業の存在感、特に従業員の存在が大きい。小田急は運輸業に力を入れている会社であり、やりようによってはもっと沿線開発に力を入れてもいいとさえ感じる。このあたりさらに収益を増やし、人を増やす余地もある。

 相鉄・JR直通線が開通し、のちに相鉄・東急直通線が開業すれば、小田急の営業収益のうち運輸業の収益が減る可能性もあるのだ。そのためか、小田急は自社鉄道の利便性をアピールしている。

 一方、相鉄の大和駅と近いところに、東急田園都市線の終点・中央林間がある。その親会社たる東急の19年3月期の有価証券報告書(当時は東京急行電鉄)を見てみると、グループ全体の営業収益は1兆1574億4000万円、交通事業(他社の運輸事業)は2136億200万円(前期比1.0%増)、生活サービス事業(他社の流通業他)は7031億8300万円(0.4%増)、不動産事業は2033億6300万円(同11.4%増)となっている。東急は鉄道事業がメインの事業ではないとさえ考えてしまう。

 なお、正規雇用の従業員は全体で2万3637人。内訳をみると、運輸業7964人、生活サービス事業8846人、不動産事業2686人と、もはや生活サービス事業がメインだと言える企業となっている。しかも、先日の南町田グランベリーパークの開業により、運輸業以外の収益や従業員数は伸びると考えられる。

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