11月30日、相鉄とJR東日本が直通運転を開始することで、特に都心から見て南西方向の鉄道会社の競争が激化することが考えられる。
鉄道会社の競合関係は、さまざまなところで話題になっている。しかし、考えてみると、鉄道会社で運行しているのはレースのための車両ではなく、通勤などを主目的とした電車である。車両の最高速度も、だいたい120キロと決まっている。しかもほとんどが、同じようなロングシートだ。
しかしそれでもなお、ライバル鉄道の話題は多く語られる。では、鉄道会社は何を競っているのか。
関東圏の主要私鉄は上場しているので、有価証券報告書を公開している。事業領域ごとの営業収益や、社員数に注目してみたい。
例えば、今回話題になっている相模鉄道。同社は、親会社の相鉄ホールディングスが上場している。
相鉄グループ全体での営業収益は、2019年3月期で2605億200万円である。そのうち、鉄道事業を展開している相模鉄道は334億9000万円。バスなどのグループ全体を含む運輸業の営業収益は、396億400万円で、前期比で0.9%増加している。
一方スーパーなどの流通業は975億1000万円(前期比7.6%減少)、不動産業は696億9900万円(同5.5%増)となっている。なお、グループ全体の従業員(正規雇用のみ)は全体で5195人で、そのうち運輸業は1624人、流通業は853人、不動産業は428人となっている。ただし、流通業はほかに多くの非正規雇用者を抱えている。
首都圏の鉄道事業者は、鉄道業に流通業や不動産業を組み合わせ、売り上げを増やしていくという構図がよく見える。
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