Showcase Gig(東京都港区)は、世界の中でもかなり早いタイミングである、13年からモバイルオーダーを手掛けてきた。しかしながらなぜ日本で流行せず、中国や米国など海外で取り入れられていったのだろうか。
同社の新田剛史社長は「1980年代の成功体験」を挙げる。「日本は1980年代に1つの成熟期を迎えた。ピークを迎えたことにより、大企業を中心として当時の成功モデルを引きずる体制ができてしまっており、イノベーションが生まれづらくなってしまった」と新田氏。逆に、中国は2010年代に成熟期を迎えたため、テクノロジーを積極的に取り入れられてきた。出張で中国へ行った人が先進ぶりに驚き、国内へ帰ってきてから問い合わせをしてくるケースも多いという。
消費増税もあり、Showcase Gigもモバイルオーダー事業で成長を続ける。導入店舗数は1500を超え、10月以降も問い合わせはひっきりなしに続いている。
同社はテーブルオーダーサービス「SelfU」も提供している。お客はテーブルに設置されたQRコードをスマートフォンで読み取り、そこから注文を行う。食べ放題、飲み放題がありホールスタッフの負担が大きい店舗を中心に導入され、人件費の圧縮に役立てられている。
飲食店は、人手不足によりギリギリの人員で店舗を運営しがちだ。しかし、スタッフが足りなければ注文を取りに行くのが遅れる。注文を取りに行くことが遅れると提供も遅くなる。さらに、回転率も悪くなる――という負の連鎖が起こってしまう。
SelfUを導入した焼き肉チェーン「肉屋の台所」では、通常10人ほどで店舗を回していた。しかし、SelfUの導入により、2〜3人ほどを削減。月換算で3〜40万円ほどの人件費を圧縮できたという。
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