マツダの戦略が分岐点にさしかかっている。今マツダに何が起きていて、それをマツダがどう捉え、どう対応していくつもりなのか? その全てを知る藤原清志副社長がマツダの今を語る。そのインタビューを可能な限りノーカットかつ連続でおとどけしよう。その第2回だ。
池田 さて、それで今回、第2四半期決算の後、あちこちで言われていた、「もうかってない」という話です。確かに利益率は非常に厳しいんですが、その内容のデータを分析してみると、実は構造改革ステージ2は、数年遅れながらしっかり進んでいる。資料を見ると、台数・構成の利益は、前年の298億から312億増えて、2倍以上の600億円になっている。台数がダウンしながらベースになる商品部分の売上倍増ですから質的な向上は著しいということですよね? 値引きなどの販管費が抑制できて、より高いモデルが売れていないとこうはなりません。
にも関わらず、為替で375億引かれちゃっていると。ベースの売上が2倍になったっていうのは、台数・構成のところでブランド価値販売がうまくいったと、そういう評価が藤原さんの中にあるんですか。
藤原 ありますけど、全然満足してません。
池田 あ、それは意外です。満足してない?
藤原 道半ばだと思ってます。
池田 これだけ増えても満足していない?
藤原 いやいや、もうそれは台数が減っているんですよ。
池田 確かに、台数は減っていますね。
藤原 台数減っていて、販売にかかる費用を抑えて、ミックス(構成)を少し良くしていっていうところはいいんですけど、台数が落ちているところがやっぱりダメだと思っているんです。本来は、この売り方をしながら、台数を伸ばせるかどうか、そこができたら大成功だと思うんですけど。
池田 ただ台数は、数字を見ると微減だと思います。
藤原 いやいや。
池田 微減じゃない?
藤原 ないし、本来ならば北米がこんな台数じゃダメです。
池田 確かに北米の台数ベースだけ見るとマイナス9%ですもんね。
藤原 中国もちょっと落ちてますが、これは今ちょうど新しいモデルとの端境期という理由があるので、特に北米ですね。われわれが価値訴求販売とかブランド価値経営とか言っている売り方を、やれたところとやれてない市場がまだ混在しているんです。特に古い、昔からずっとやっている地域は、なかなか変われないんですよ。それは、過去われわれがやってきたやり方がしみついているので、マイナスなんですよね。マイナスからスタートしてプラスに持ってかなくちゃいけない。
池田 ただ、春の本決算のときに丸本(明)社長が、北米での値引き販売で利益を落としたことについて、だいぶ苦汁を飲んだ説明をしていたことからすると、この第2四半期の結果を見ると、むしろ大幅な巻き返しに見えるんですが……。
藤原 いや、ですから、その売り方は変えてきた。だけど台数が伸びない。昔のやり方でしか台数をはけない人たちが、まだまだ存在する。
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