19歳以上は使用不可? ジャンプした人数だけ「ジャンプ作品」を読めるサービス開始  担当者「『少年』は18歳以下」電子書籍の時代にあえて「アナログ」に

» 2019年11月29日 11時24分 公開
[鬼頭勇大ITmedia]

 集英社は11月29日、スマートフォン向けアプリ「瞬刊少年ジャンプ」を稼働開始した。スマートフォンを持ち一緒にジャンプした人の数だけ「ジャンプ作品」を無料で読めるサービス。11月29日〜2020年3月2日の期間限定で配信、稼働する。

 瞬刊少年ジャンプは毎週金曜日、発売中の『週刊少年ジャンプ』に掲載した作品が「ロック状態」で並ぶ。そして、朝7時〜、昼11時30分〜、夕方15時30分〜の3回、各90分ずつ「JUMP TIME」が発生する。JUMP TIME中にスマートフォンのBluetooth設定をオンにし、一緒にジャンプするグループを設定。同時にその場でジャンプすると、その人数分だけ日曜日まで作品を読める仕組み。なお、同じ人と複数回ジャンプしても読めるようになるのは1作品のみだ。

ジャンプの新アプリが登場(画像引用元:瞬刊少年ジャンプ公式Webサイト)

 また、人数分の「バックナンバーチケット」を付与。1枚につき1話、24時間限定で連載作品のバックナンバーを読める。さらに、前後0.2秒単位で同じ高さにジャンプした場合、「JUST JUMP判定」が起こる。人数に応じて、読める作品数やバックナンバーチケットにボーナスが加わる。

 サービスの利用対象者は18歳以下が基本となる。19歳以上も利用できるが、JUST JUMPに成功した場合だけ作品開放とバックナンバーチケットの付与を行う。ただ、ジャンプはいわゆる「少年」だけではなく「青年」、「中年」、「老年」読者も多いのではないか。広報担当者に聞くと「ジャンプの読者は小学生からシニアまで本当に幅広い」としつつも、「『少年』」ジャンプというくらいなので、やはりメインターゲットは少年層。今回の18歳以下という制限も、少年というメインターゲットから設定した」と回答があった。ただ、「少年」以外を切り捨てるのではなく、80年代のジャンプ読者を想定した居酒屋「おとなのジャンプ酒場」を期間限定でオープンするなど、少年以外の読者に向けたサービスも展開している。

 瞬刊少年ジャンプは、「ジャンプアプリ開発コンテスト」の第2期入賞企画。集英社では17年4月から漫画やキャラクターに関する新たなアプリ、Webサービスの開発企画コンテストを実施している。第1期では地図データを基に、マップ上に落ちている作品を拾って読んだり、読み終えたものを好きな場所に置いたり、拾った作品を交換できたりする「マワシヨミジャンプ」を配信。

 今回入賞した瞬刊少年ジャンプもマワシヨミジャンプと同じく「共有」をテーマにしたサービスとなった。入賞の理由について集英社は「スマートフォンで漫画を読む機会が増え、漫画の話題を周りと共有する主な手段がSNSとなっている時代に、あえて“ジャンプする”というアナログな、直接的な仲間とのつながりを利用して”ジャンプ“の話題で盛り上がる切り口に面白さを感じた」とコメントしている。

『ハイキュー!!』作者の古舘春一がイラストを描き下ろし(画像引用元:少年ジャンプ編集部Twitter公式アカウント)

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.