クルマはどう進化する? 新車から読み解く業界動向

売れるに決まっているダイハツ・ロッキーとトヨタ・ライズ池田直渡「週刊モータージャーナル」(5/8 ページ)

» 2019年12月23日 07時00分 公開
[池田直渡ITmedia]

 シートも良い。小さいクルマなので室内空間の都合で、シートの前後長は少しだけ足りないが、左右の大腿骨(だいたいこつ)最後部、つまり臀部(でんぶ)の左右方向の支えはほぼ万全。コーナーリング時にインナーマッスルで支えてやらなければならないような情けないシートにはなっていない。

新設計のシートは見た目も立派だが着座感はさらに良い

 見た目は座面と背もたれの両サイドを、バケットシートのように盛り上げたサイドボルスター依存型に見えるが、実は見た目だけで大して効いていない。効いていないというのは褒め言葉で、それはつまり座面と背もたれという人体に常時当たる部分がちゃんと仕事をしていて、余計なつっかい棒などあまり必要としないという意味だ。その上、過去のダイハツのシートにありがちだった、海老反り型の背もたれではなく、肩が適切にシートバックに当たる。

 前後長の不足については、オフセットがないことで合理的になったポジションのおかげであまり気にならない。「当代最良のシート」とまではいわないが、このクラスのコスト制約の中では望外によく出来ている。ちなみに主査の説明によれば、軽自動車用の足下広さがセンターから31センチに対して、ロッキー/ライズは34センチに拡幅されている。バルクヘッドも丁寧にチューニングされているということだ。

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