クルマはどう進化する? 新車から読み解く業界動向

売れるに決まっているダイハツ・ロッキーとトヨタ・ライズ池田直渡「週刊モータージャーナル」(6/8 ページ)

» 2019年12月23日 07時00分 公開
[池田直渡ITmedia]

新世代CVTの完成度

 走り始めてすぐ感じるのは、この種のクルマとしては軽いこと。1リッター3気筒98馬力/14.3kg-mという数値は昨今決してパワフルな部類ではないが、最軽量で970キロ、最重量でも1040キロという軽さのせいで、力不足は感じない。むしろ少しパワートレインが頑張り過ぎなところがある。

 それはステアリングとの関連のところで一番ハッキリする。実は今回のロッキー/ライズは、ステアフィールが従来のダイハツと少し違う。スポーティな仕立てにしようとしている。従来、穏やかで誰が乗っても平和な仕立てを旨としてきたダイハツが、スポーツを意識したことでわずかながら齟齬(そご)が出ている。

SUVらしさが表現されたインテリア。メーターは表示が選べるマルチファンクション化された

 まずはステアリングコラムの剛性が2019年デビューのクルマとしては少し足りない。微振動が入ってくる。コレに関してはちょっとしたオフサイドトラップに引っかかった感じで、1年前と状況が変わってしまった。デミオとスイフトは半歩先を行っていたが、少なくともヴィッツよりはちゃんとしていたのだ。しかしながらヤリスが著しく改良されて一歩先に進んだことで、気がつけば取り残されてしまった。

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