クルマはどう進化する? 新車から読み解く業界動向

売れるに決まっているダイハツ・ロッキーとトヨタ・ライズ池田直渡「週刊モータージャーナル」(1/8 ページ)

» 2019年12月23日 07時00分 公開
[池田直渡ITmedia]

 11月5日、ダイハツはAセグメントのコンパクトSUV、「ロッキー」を発売した。

 ロッキーは、ダイハツ強靱化(きょうじんか)プログラムであるDNGAの第二弾であり、トヨタへのOEM提供を前提とした戦略モデルである。トヨタでは「ライズ」の名前で販売されるが、中身は全く一緒といっていい。

ダイハツが打ち出すDNGA第二弾、ロッキー。兄弟車であるトヨタ・ライズは発売ひと月で3万2000台を記録した

凝ったメカニズム

 さて一瞥(いちべつ)したときから「これは間違いなく売れる」と思ったが、案の定その通りで、正味1カ月に満たない11月の車名別販売記録で、堂々4位の7484台(一般社団法人日本自動車販売協会連合会調べ)。しかも受注だけで見れば、発売後1カ月の12月4日時点でなんと驚きの3万2000台(トヨタ自動車発表)。全盛期のプリウス並みの売れ方である。

 まあそんなに売れるのは予想通りトヨタのライズの方で、ダイハツ・ロッキーは16位の4294台(自販協調べ)。とはいいつつも、ライズと合計すれば先のランキング1位のカローラを抜くことになる。

 何でそんなに売れるのか? 身も蓋もないことをいってしまえば、カッコと値段だろう。ヒット中のRAV4を縮小したようなクラス感を越えたデザインに、168万円から242万円という価格設定。なんとなく200万円くらいのクルマを……と思う人のツボにはまる値付けになっている。

 ダイハツ自身の自己申告によると、サイズはAセグメント。なので、広大なリヤスペースは望むべくもないが、街中で使う分には実用には十分足りるし、ダイハツらしく後席の乗り降りをCピラーが阻害しない実用的な作りに仕上がっている。

Aセグメントながら、リヤシートは見切られておらず実用性を与えられる。しかもラゲージも確保されているあたりにダイハツの本気を感じる
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