クルマはどう進化する? 新車から読み解く業界動向

売れるに決まっているダイハツ・ロッキーとトヨタ・ライズ池田直渡「週刊モータージャーナル」(4/8 ページ)

» 2019年12月23日 07時00分 公開
[池田直渡ITmedia]

正しいポジション

 さて、クルマに乗り込んでみる。DNGA第2弾であるこのロッキー/ライズにおいて、最も危惧していたのはペダルオフセットだ。すでに、ダイハツは軽自動車からBセグメントまで基本的に同じ設計を用いると発表している。こうしたケースではスケーラブルに、つまり拡大/縮小ができる可変代を取り、固定して動かさない部分と変化させる部分をあらかじめ織り込んで設計するものだ。

 そして一般的にはバリエーションシャシーはフロントのバルクヘッド(エンジンルーム隔壁)を共有するケースが多い。人体でいえばここは骨盤のようなもので、これにさまざまな、例えばフロアとかエンジンルームとかピラーなどが建て込まれてシャシーが完成する。だからバルクヘッドは本来可変にしにくい部分だ。

軽自動車からBセグメントまで同じ設計を用いるダイハツのDNGA
バルクヘッドを起点として、ほかを相似で拡大させる設計思想

 もしバルクヘッドが軽自動車からBセグメントまで全て固定で展開されるとしたら、DNGAの全車種が軽自動車並みのオフセットを抱えることになる。だからそこが非常に気になっていたのだ。

 結果からいえば、筆者の心配は杞憂(きゆう)だった。ステアリングもペダルも、ボディ外寸を考慮する限りは会心の出来といっていいだろう。オフセットを気にする必要はない。

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