コラム
» 2019年12月25日 06時00分 公開

「ヤクルトおじさん」が存在した! ヤクルトレディのルーツと謎に迫るどこからやってきて、いくら稼いでいるのか(3/3 ページ)

[鬼頭勇大,ITmedia]
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ヤクルトレディの採用は「スカウト」

 ヤクルトレディはスカウト方式で採用することが多いのだという。販売先を訪問したヤクルトレディが、「この人は(ヤクルトレディを)できるかもしれない」と思ったら、職場見学などをしてもらう。その後、面接などを経てヤクルトレディとなる。背景には、「地域密着」の考えがある。

 「ヤクルトレディに求めるのは『売る能力』ではない。地域の方々とコミュニケーションを取り、欲を言えば『愛される』人材が向いている」と津村氏は話す。「ヤクルトレディとお客さまとの関係性は『届ける‐買う』の関係を超えている。あるセンターでは、お客さまからいただいた野菜がいっぱい置いてあるところもある。その地域で愛される人が多いからこそ、また同じように愛される人材を発掘することができる」

 ヤクルトレディは販売するだけでなく地域の見守り活動も担っている。例えば「愛の訪問活動」は単身で生活するお年寄りをヤクルトレディが訪問し、安否の確認や話し相手となる取り組みだ。72年に活動を開始し、94年には厚生労働省から表彰も受けている。それだけでなく、全国の自治体や警察と連携し、訪問先のお客に異変を感じた際には警察署に連絡するなどの活動も行っている。

ヤクルトレディが行っている社会活動(出所:ヤクルト本社プレスリリース)

ヤクルト“おじさん”はいるのか

 ちなみに、ヤクルトレディならぬ、「ヤクルト“おじさん”」は存在するのだろうか。津村氏に聞いたところ、「数百人ほど、販売会社に所属する男性配達員は存在する」と回答があった。ただ、ヤクルトレディのような制服を着て、職場や家庭へ定期的に訪問販売するような形ではなく、「昔の名残」(津村氏)で郡部などを担当する人がほとんどだという。

 郡部へは物流コストなどの問題で、定期的に商品を届けることにハードルがある。そこで、個人商店を営んでいる人など、大きい冷蔵庫を持っているような配達員のところへまとめて商品を届ける。そして、配達員は各家庭へ商品を置いて回るのだという。コミュニケーションや地域の見守りをも担うヤクルトレディとはやや異なり、昔ながらの「配達員」というイメージが近い。

 女性の社会進出を受けて増加してきたヤクルトレディだが、最近は増加数に歯止めがかかってきている。多いときには国内だけで5万人を数えたが、今では国内のヤクルトレディは3万人ほど。ヤクルトレディを組織化した63年から50年以上が経過し、フルタイムで勤務する女性も増えている。今後は、もしかしたら「ヤクルトおじさん」が増えていくのかもしれない。

 

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