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» 2019年12月26日 07時00分 公開

世界を読み解くニュース・サロン:世界の有能人材が「日本を避ける」未来 元TBS記者の性暴行事件が及ぼす深刻な影響 (3/4)

[山田敏弘,ITmedia]

「日本はこんな国なの?」広がるネガティブなイメージ

 こうした記事が外国人の間で読まれているのである。日本人がポジショントークでああだこうだと議論している間にも、海外ではこの流れでニュースがどんどん消費されている。日本という国は「大丈夫なのか?」と思われながら。

 実はこの伊藤氏と山口氏のケースは、日本に興味を持つ人たちや、ジェンダー問題に興味のある人たちの間では、すでに知られていた。先に触れたBBCのドキュメンタリーだけでなく、ニューヨーク・タイムズ紙なども以前に深く取材した大々的な記事を掲載していたからだ。

 では、こうした報道から得られる日本に対するイメージとはどんなものだろうか。

 アジア在住の米国人男性に記事をいくつか送り、メールでやりとりすると、信じられない様子で「日本はこんな国なの?」と反応した。日本に数年在住した経験のある年配の米国人女性は「日本政府はこんなことを本当にしているのか。民主主義の先進国というイメージだったのに」と残念そうに答えた。シンガポール人の友人女性も、「逮捕が中止なんて女性にとっては恐ろしい」とメッセージを返してきた。

 こうしたリアクションのように、このニュースに触れた外国人には、日本に対して驚きを持った人が少なくないと考えていいだろう。男性が強い社会であることは知っていても、日本のような法治国家の先進国で、英字記事が軒並み指摘しているように、国家権力がこのような形で介入してくるとは考えにくいからだ。

判決後、会見する伊藤氏(写真:ロイター)

 ちなみに、ワシントン・ポスト紙のネット記事にはコメント欄がある。そこには、以下のようなコメントが並んでいる。基本的に、伊藤氏に対して批判的なコメントは皆無だ。

「日本は素晴らしい国だが男性の支配が強く、女性の権利が抑圧されている。ゆっくりでも、形勢が変わりつつあることは喜ばしいことだ」

「日本は女性にとって安全な社会ではない」

「(日本には深刻な人口減少の問題があるが)女性に対する扱いが改善されれば、女性はもっと子供を持とうと思うのかもしれない」

「(日本は)内側から腐っている」

「多くの日本人男性が不快な性犯罪者で、男性だから多くは起訴されないで許されている」

 とにかく辛辣(しんらつ)なものが多い。世界で活躍する日本人にとっては、こういう日本のイメージが広がるのはよろしくない。ただ問題はそれだけではない。

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