2020年1月9日、東京都千代田区にあるベルギー大使館で森永製菓、ファミリーマート、ネスレ日本など8社が集まったバレンタイン商品の発表会が開催された。日本を代表する菓子メーカーやコンビニチェーンが注目するのは「ルビーチョコレート」で、バレンタイン商戦で“台風の目”となるかもしれない。
ルビーチョコレートは、チョコレートのグローバルメーカーである「バリーカレボー」(スイス)が10年以上かけて開発したものだ。ブラジルやエクアドルといったカカオの産出国で育ったカカオ豆が原料で、同社は一部のカカオ豆の中にある天然成分からルビー色のチョコレートができることを発見したという。
バリーカレボージャパンの安里均セールスディレクターによると、ルビーチョコレートの原料となる成分を含むカカオ豆と通常のカカオ豆を区別をするのは難しいという。しかし、バリーカレボーが独自のノウハウで選別し、シンガポールやベルギーの自社工場でルビーチョコレートを製造している。
ルビーチョコレートは甘酸っぱい味わいが特徴で、ルビー色をしている。着色料は使っていない。
日本では数年前から認知度が高まってきた。18年1月にはネスレ日本がルビーチョコレートを使ったキットカットを発売。同年9月には、ローソンがロールケーキを展開している。都内で働く女性会社員は「ここ数年で人気になっています。バレンタインデーが近づくと、自分へのご褒美として買う人が増えている印象があります。甘酸っぱい味わいですが、いちごとは違いますね」と語る。
バリーカレボーは、チョコレートの一般的な区分である「ダーク(ビター)」「ミルク」「ホワイト」ではない、第4のチョコレートとしてルビーチョコレートを位置付け、販売攻勢を強めている。
ちなみに、日本のチョコレート・ココアの製造者団体である「日本チョコレート・ココア協会」(東京都港区)の担当者によると、「ダーク(ビター)」はミルク成分が少なくてカカオの含有量が多くて味が苦いもの、「ミルク」はミルク成分が多いもの、「ホワイト」はカカオ豆由来の植物油脂に粉乳と砂糖を入れて固めたものとして業界では認識されているという。しかし、これらの分類に正式な基準があるわけではない。
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