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» 2020年01月14日 19時29分 公開

マネーフォワードがSaaSビジネスのKPIを開示 19年11月決算

SaaSビジネスでは、顧客ごとに業績を分析するユニットエコノミスクを利用する。いったんユーザーを獲得すれば継続的に売り上げが生まれるSaaSモデルの特性から、企業全体の売り上げやコストというよりも、顧客あたりの、獲得費用、売上高(ARPA)、解約率(チャーンレート)によって事業を評価する仕組みだ。

[斎藤健二,ITmedia]

 マネーフォワードは1月14日、2019年11月期の決算を発表した。売上高は前年比56%増の71億6000万円、営業利益は昨期から14億5000万円悪化し24億4600万円の赤字だった。2年後の21年11月期にEBITDAベースでの黒字化を目指す方針で、そこまでは投資を進め売上の拡大に注力する。

マネーフォワードの辻庸介社長

 20年11月期も、売上高見通しは55〜60%成長の111〜115億円、EBITDAベースの赤字幅は19年の22億6000万円の赤字に対して、19〜28億円の赤字を想定する。

SaaSビジネスのKPIを開示

 同社の事業の主力は、売り上げの約6割を占める法人向けSaaS事業だ。今回、この事業のKPIを開示した。

【訂正:1月15日20時40分。初出で、法人向けSaaS事業が売り上げの76%と記載していましたが、これはMoney Forward X/Financeも含むB2B売上高全体の数字でした。法人向けSaaS事業の売上高比率は、正しくは約6割となります。お詫びし訂正いたします。】

法人向け事業「Money Forward Business」のKPI

 SaaSビジネスでは、顧客ごとに業績を分析するユニットエコノミスクを利用する。いったんユーザーを獲得すれば継続的に売り上げが生まれるSaaSモデルの特性から、企業全体の期間損益よりも、顧客あたりの、獲得費用、売上高(ARPA)、解約率(チャーンレート)によって、事業を評価する仕組みだ。

 マネーフォワードの法人向け事業の各KPIは、ARPAが5万9248円、解約率が1.2%(新プラン導入による影響を加味したものは1.8%)だった。また、新規顧客獲得費用に対する売上高の増加を表すセールス効率性は1.6倍だった。

2019年4月に新プランを導入し、ARPAは大きく上昇した

 ARPAはこれまで15年11月期の3万円から緩やかに上昇してきたが、新プランの導入によって5万9200円へと大幅に増加した。「ARPAが上がっていく要素はまだある。ラインアップの拡充、ユーザー数課金のサービスは、顧客の企業規模が大きくなるにつれて金額が上がる。またSaaSプラットフォーム事業の開始。この3点がARPAが伸びる要素」だと、辻庸介社長は説明した。

今月獲得した売上が翌年同時期にどのくらいになるかを示すネットレベニューリテンション(売上継続率)

 SaaS型ビジネスによって生まれるストック型収入は、第4四半期時点で前年同期比64%増となった。また、同一の課金顧客からのストック型収入が、前期末に比べてどう変化したかを表すネットレベニューリテンション(売上継続率)は129%と増加した。

 「ネットレベニューリテンションは、既存の顧客の売上がどれだけ伸びたかを示す。単価(ARPA)が上がってきた場合は売上継続率はプラスに働く。アップセル、クロスセルによってお客さんに複数のサービスを使ってもらい、ARPAが向上した。そして解約率が低いと売上継続率が高くなる」(辻氏)

 SaaS業界では、19年末に競合となるfreeeが上場した。「SaaSの会社が上場しているので認知度も上がり、業界全体としてはプラス。Fintech業界もなかなか上場が出てこなかったが、freee上場で業界全体が盛り上がる」と辻社長は話した。

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