企業SNSの打ち手を3つのMの視点から大きくまとめると、次のような施策が思い浮かびます。
Monitor:「ユーザーの流行り・UGC(ユーザーが作った画像や動画などのコンテンツ)に乗っかる」「カレンダーイベントなどみんなの言の葉にのりそうな話題に絡めて発信」「エゴサーチ、評判の把握」
Mingle:「お題募集」「企業アカウント同士での交流」「社員や企業の中の人を紹介」
Measure:「SNSごとにターゲットを定め、コミュニケーション効果を測定&改善」
「中の人」の活動は、以上のような打ち手の組み合わせで運営されることが多いと言えます。
なお、筆者は「SNSマーケティングの大原則はGIVEの実践」と表現しています。情報の受け手となる人々が、「役に立つ」「知りたい」「楽しい」と思えるような何らかのGIVEの要素がなければ、そこにつながりを育むことはできないためです。そのために、こちらから何かを与えるという姿勢であることが望ましいと考えます。
この点から、企業SNSとしてユーザーが受け取りたくない情報を発信してしまっていないか、「中の人」のコミュニケーションの在り方は適切か――最近では、「中の人」の個性が強すぎるアカウントは見ていてしんどいといった声もあります――、ぜひチェックいただければと思います。
また、ユーザーとの距離感を考えると、SNS担当者は「中の人」というよりも、よりユーザーたちに寄り添うような、「そばの人」であるべきかもしれません。SNSは企業も生活者も1つのアカウントとして対等であり、その輪の中にお邪魔しますという感覚が求められるようにも思います。
天野 彬(あまの あきら)
1986年生まれ。東京大学大学院学際情報学府修了(M.A.)。スマートフォンユーザーやSNSの動向に関する研究/執筆/コンサルティングが専門。
主著に『シェアしたがる心理〜SNSの情報環境を読み解く7つの視点〜』(2017年、宣伝会議)、『SNS変遷史〜「いいね!」でつながる社会のゆくえ〜』(2019年、イースト新書)、『情報メディア白書』(共著、2016〜2020年、ダイヤモンド社)など。経済番組でのコメンテーターや各種講演でのスピーカーなど経験多数。
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