中国人客の間で日本の「カプセルホテル」が熱い!? 春節直前にデータ分析中国マーケティング最前線(2/3 ページ)

» 2020年01月21日 08時00分 公開
[服部良祐ITmedia]

「カプセルホテル宿泊」自体が非日常体験に

 そのうちの1つが、全国13店舗を展開するナインアワーズ(東京・港)。同社の若生景子さんによると、宿泊者のうち訪日客の割合は現在約7割とみられ、日本人客と半々程度だった18年に比べ上昇傾向にある。

photo ナインアワーズの内観(赤坂店、同社提供。撮影:ナカサ&パートナーズ)

 「新規店舗は日本人利用者の方が当初多いものの、海外サイトなどで知名度が上がり、だんだんとインバウンド比率が増えて逆転する傾向にある」(若生さん)。同社のカプセルホテルは現在、ほぼ満席に近い状態が続いているという。

photo カプセルホテルブームを紹介する中国系テレビ局の番組。画像はウェイボーの投稿

 09年に京都の第1号店ができた当初は、デザイン系のメディアに多く露出していた関係もあり、やはり海外の中でもヨーロッパからの注目度が高めだったという。ただ、例えば17年オープンで中国人客が多めの北新宿店(東京・新宿)では、国籍が判明した訪日宿泊客のうち、19年1月の中国人比率は12%と18年に比べ倍増した。20年も同程度の水準で高止まり傾向にあるという。

 18〜19年には中国系のテレビ局や旅行系メディアなどから頻繁に取材を受けた。番組や体験記事では「清潔感やリーズナブルさに加え、(ホテルの)システムやコンパクトさが面白く、普段は感じられない体験ができるといった点がよくテーマになっていた」(若生さん)。

 若生さんによると中国客の多くはやはり観光・買い物目的だが、特徴的なのが彼らの3分の2は「1泊」利用である点だ。一般的に中国人客は、日本に1週間前後滞在するケースが多いとされる。利便性や安さの追求だけでなく、やはり「日本で一度はカプセルホテルに泊まってみたい」と、“非日常”を経験するために利用する中国人客が少なくないようだ。

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