実は、ナインアワーズは海外向けに広告を全く打ち出していない。中国人客の流入経路は大手ホテル予約サイトがメーンという。認知度向上に寄与しているとみられるのが、テレビやネットメディアなどのコンテンツに加え、中国系インフルエンサーによる発信だ。特に彼らがカプセルホテルでの宿泊体験をSNSに投稿したがる理由の1つが、内観の「SNS映え」だという。
「チェックインした中国人客を見ていると、『(動画や写真を)撮らない人はいないのでは?』と思えるほどよく撮影している」(若生さん)。これは外国人客一般が取る行動でもあるが、巣穴のように寝室が密集しているカプセルホテルの光景は海外でまだ珍しく、SNSで映える格好の撮影スポットになっているとみられる。
かつては団体ツアーがメーンで、「爆買い」ばかりが注目されていた中国人客。所得上昇に加え、ネット上で日本に関する情報が豊富になったこともあり、個人でよりディープな訪日観光を楽しむケースが一般的になっている。春節のインバウンド商戦を前に、こうした意外な「体験型・コト消費」のスポットにさらに注目が集まりそうだ。
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