新年会でもご用心 なぜビジネスパーソンは「シメのラーメン」を我慢できないのか?ビジネスパーソンを救う「せめてこれだけ」食事術【後編】(2/2 ページ)

» 2020年01月22日 04時30分 公開
[佐藤達夫ITmedia]
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「から酒」は絶対にNG

 「あれも食べるな」「これにも注意しろ」といろいろ書くと、それならお酒だけ飲んでおつまみをできるだけ少なくすればいいのか!? と、やけになる人がいるかもしれない……。が、それはダメ。

 おつまみなしでお酒だけを飲むいわゆる「から酒」は胃にも肝臓にも大きな負担をかける。それだけではなく、お酒はカロリーだけはあるが、他の栄養素はまったく含まれていない。三食のうちの大事な1食をそういう物ですませてはならない。酒宴も1回の食事であるという食習慣を忘れないようにしたい。

 アルコールに関しては「1グラムが7キロカロリーとされているが、実際にはもっと低いのではないか」という説があるし、「アルコールは体脂肪にはなりにくい」という説もある。その一例としてアルコール依存症がある。アルコール依存症の人の多くは大量に飲酒をするけれども食事をほとんどとらない。そしてほぼ例外なく痩せている。カロリー不足と栄養素バランスが極端に悪いせいで健康状態もかなりよろしくない。

phot 酒宴も1回の食事であるという食習慣を忘れないようにしたい(写真提供:ゲッティイメージズ)

 ただし、だからといってビジネスパーソンが「お酒を飲んでも太らない」ということにはならない。確かに、アルコールのカロリー数はそれほど多くはなく、体脂肪にもなりにくいようだ。しかし、体内に入ったアルコールのカロリーは(体脂肪にはなりにくくても)身体を動かしたりあるいは体温を保ったりするのに使われる。そうすると、飲酒時に食べた食品のカロリーが(そちらにはほとんど使われることなく)体脂肪として蓄えられることになる。飲食時の「食事分のカロリー」は極めて効率よく体脂肪になる、と覚えておこう。

著者プロフィール

佐藤達夫(さとう たつお)

食生活ジャーナリスト。1947年千葉市生まれ、1971年北海道大学卒業。80年から女子栄養大学出版部へ勤務。月刊『栄養と料理』の編集に携わり、95年より同誌編集長を務める。99年に独立し、食生活ジャーナリストとして、さまざまなメディアを通じて、あるいは各地の講演で「健康のためにはどのような食生活を送ればいいか」という情報を発信している。食生活ジャーナリストの会元代表幹事、日本ペンクラブ会員、元女子栄養大学非常勤講師(食文化情報論)。著書・共著書に『食べモノの道理』『栄養と健康のウソホント』『これが糖血病だ!』『野菜の学校』など多数


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