「おひとり様」の増加に、マーケッターはどう対応する?(1/3 ページ)

» 2020年01月27日 06時00分 公開
[猪口真INSIGHT NOW!]
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著者プロフィール:猪口真(いのぐち・まこと)

株式会社パトス代表取締役。


 おひとり様(独身者)が増加しているという。

 内閣府が公表した2019年版の少子化社会対策白書によると、男性の未婚率は、25〜29歳が72.7%、30〜34歳が47.1%、35〜39歳が35.0%となっており、女性の未婚率は、25〜29歳が61.3%、30〜34歳が34.6%、35〜39歳が23.9%となっている。いずれも上昇傾向が続いており、結婚しない若者が増えているようだ。

 結婚しないのは、若者だけではない。50歳までに一度も結婚したことがない人の割合(離婚や死別は含まない。これを「生涯未婚率」という)は、1985年までは男女とも5%未満であったのに対し、2015年には男性が23.4%、女性が14.1%で、前回調査の2010年と比較して、男女とも上昇しているという。ちなみに、1990年には、男性が5.6%、女性が4.3%であり、この25年で、相当な数の未婚者が増加したといえる。

 これだけ未婚者(おひとり様)が増えると、さまざまなサービスや商品が、ファミリーやカップルといったターゲットから、おひとり様向けへの変更を余儀なくされるのだろうか。

 当然、おひとり様のライフスタイルや経済状況が大きなポイントとなるのだが、彼らは、どのような状況なのだろうか。また、どのようなことが起きるのだろうか。

 昨今、よく言われることだが、独身女性の非正規雇用の問題がある。女性は非正規雇用が多く、所得が少ないというものだ。

 総務省統計局の労働力調査(2015年に実施)によれば、独身女性の32.1%、約79万人は非正規で働いているのだという。当然、非正規雇用の人たちの収入は、正規雇用者と比較すると相対的に低く、非正規で働く独身女性の7割は年収250万円以下で、さらに悪いことに、年代が上がるほど収入は下がる傾向にあるという。正規社員であれば、45〜54歳という年齢は働き盛りで、収入もピークを迎えるのに対して、非正規社員の場合はむしろ逆の実態になっているということか。

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