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転職で給与が上がった人は約3割 給与が上がりやすい職種は?リクルートエージェントの利用者対象

» 2020年01月31日 10時15分 公開
[鬼頭勇大ITmedia]

 リクルートキャリアは1月29日、「2019年10−12月期 転職時の賃金変動状況」を発表した。同社が提供する転職支援サービス「リクルートエージェント」における「転職決定した人は、転職前後でどのように賃金が変動しているのか」に着目した分析で、「前職と比較して賃金が1割以上増加した人の割合」を定点観測している。

転職で賃金が上がる人はどれくらい?(画像はイメージ、出所:ゲッティイメージズ)

 19年10〜12月に転職決定した人のうち、賃金が前職から1割以上増加した人の割合は、29.6%だった。前年同期比で0.2ポイント減。年度別に見ると、賃金が増加する人の割合は緩やかに上昇している。リーマンショックなどの影響もあり09年度は18.9%と大きく落ち込んだが、以降はおおむね20%台後半で推移しており、18年度は30.1%だった。

全体では3割近くの人が転職で賃金増加(出所:リクルートキャリア調査)

 対象の職種別に見ると、最も割合が高かったのは「接客・販売・店長・コールセンター」で、38.4%。前年同期比で1.8ポイント上昇した。最近は、むちゃな要求やクレームをするお客の「カスタマーハラスメント」が問題視され始めているが、直接的にお客とかかわる場面が多い職種では依然として人手不足が続く。帝国データバンクが1月に発表した調査結果では、19年にいわゆる「人手不足倒産」をした件数が最も多かったのが「サービス業」。人手不足を解消するために、好条件で採用をする企業も多そうだ。

職種別では「サービス業」の割合が最も高い(出所:リクルートキャリア調査)

 次いで割合が高かったのは「IT系エンジニア」で、30.6%の人が転職後に賃金が上がった。前年同期比で0.5ポイント増。年度別に見ると、14年度以降一貫してポイントが上がり続けている。これは調査対象の職種のうちIT系エンジニアのみで、企業側のIT人材に対する高いニーズがうかがえる。

IT系エンジニアは、一貫して上昇している(出所:リクルートキャリア調査)

 その他の職種は、「営業職」が28.2%(前年同期比0.9ポイント減)、「事務系専門職」が27.8%(同0.4ポイント減)、「機械・電気・化学エンジニア」が25.3%(同4.1ポイント減)だった。

「営業職」の推移(出所:リクルートキャリア調査)
「事務系専門職」の推移(出所:リクルートキャリア調査)
「機械・電気・化学エンジニア」の推移(出所:リクルートキャリア調査)

 割合は、「転職決定者合計」を「前職と比べ賃金が1割以上増加した転職決定者数」で除し、100を乗じて算出する。前職の賃金は残業代など「変動する割増賃金」を含む一方、転職後の賃金にはそれらを含んでいない。そのため、前職から賃金が1割以上増加した人の割合は、実態よりも低めになる傾向がある、と同社は補足している。

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