スマホ決済、使わないと“旧人類”に? 稼ぐ人ほどキャッシュレス派、そう考える理由必要な「取りあえず」の精神(4/4 ページ)

» 2020年02月13日 05時00分 公開
[横山信弘ITmedia]
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キャッシュレス派は「稼げる」

 ジェーシービーやあおぞら銀行の調査で、実は現金派よりもキャッシュレス派の方が貯金額が多いということが明らかになっている。ジェーシービーの「キャッシュレスとデビットカード利用意向に関する実態調査2019」によると、キャッシュレス派の方が現金派よりも2.4倍、貯蓄が増加したことが判明している。また、あおぞら銀行の「キャッシュレス時代の貯金に関する調査」では「思い描いた通りの貯金ができていると思いますか」という質問に対し、できていると答えたのは、現金派(27%)に対し、キャッシュレス派(40%)の方が多かった。

キャッシュレス派の方が上手に貯金(出所:ジェーシービー「キャッシュレスとデビットカード利用意向に関する実態調査2019」)

 なぜ、キャッシュレス派の方が貯蓄が多くなるのか? キャッシュレスを使うことでポイント還元があるとか、家計簿アプリをうまいこと活用しているとか、そんなちっぽけな理由ではない、と私は考えている。結局は「稼ぐ力」が大きいからだ。

 稼ぐ力がある人は、当然に思考を「変容」させる力も大きいが、「構造分析力」も高い。社会システムやビジネス構造を客観的に理解できるので、手数料の高い大手の銀行や証券会社の餌食にはならない。時代の潮流をうまく捉え、より利便性の高いサービスへ乗り換えて、激動の時代でも波に乗り続ける。だから、貯蓄や資産も「思い通り」にできるのだ。

大事なのは「取りあえず」の精神

 とはいえ、キャッシュレス派でも全ての決済をキャッシュレスで済ませる人は少数派だろう。いずれにしても、大事なのは思考パターンである。私のように50歳を過ぎると、なかなか旧来の「前提」を踏まえての発想から脱却できない。これだと、いつまでたっても「変容」はできない。イノベーションなど起こせないのだ。だから、常に新しいツールや概念、グッズが登場したら、取りあえず使ってみるし、触れてみる。多少、面倒でもガマンして慣れるまでやってみる。

 全面移行する必要はない。私は本屋で本を買うし、電車の中で新聞も読む。一方で電子書籍も読むし、デジタル新聞も読む。サブスクリプションスタイルで有識者の有料記事も買う。分からない用語はWebやYouTubeの解説動画を参考にする。アナログ、デジタル併用だ。多様化の時代だから、ツールは状況に応じて複数使いこなせた方がいい。そのために、「思考の変容」が必要なのだ。

 変化スピードが激しい現代だ。常日頃から「変化耐性」を鍛えておかないと、どんな小さな変化に対しても、知らず知らずのうちに拒絶する思考が出来上がってしまう。ビジネスの場でも、すぐに怒鳴り散らしたり、昔のやり方に固執したりして変化を拒む「旧人類」は嫌がられる。こうならないためにも、新しいものには柔軟でありたい。

著者プロフィール・横山信弘(よこやまのぶひろ)

企業の現場に入り、目標を「絶対達成」させるコンサルタント。最低でも目標を達成させる「予材管理」の理論を体系的に整理し、仕組みを構築した考案者として知られる。12年間で1000回以上の関連セミナーや講演、書籍やコラムを通じ「予材管理」の普及に力を注いできた。NTTドコモ、ソフトバンク、サントリーなどの大企業から中小企業にいたるまで、200社以上を支援した実績を持つ。「絶対達成マインドのつくり方」「絶対達成バイブル」など「絶対達成」シリーズの著者であり、著書の多くは、中国、韓国、台湾で翻訳版が発売されている。

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