「大学の学生寮」と聞くと、次のような光景を浮かべる人が多いのかもしれない。「建物はボロボロ。トイレや風呂といった共有施設も汚なそう」「先輩・後輩といった上下関係が面倒くさそう」「門限などの規則が厳しそう」など、ネガティブなイメージだ。
学生寮=昭和の雰囲気。大学生が暮らすところは時間がビターっと止まっている感じもするが、実は大きく変化しているのだ。不動産大手が学生専用マンションにチカラを入れていて、個人的に気になっているのは東急不動産の動きである。2018年、西武池袋線「椎名町」駅より徒歩10分ほどのところに、学生寮(167室)を建てたところ「オレも住みたい」「ワタシもワタシも」といった感じで、1年目にして入居率が9割を超えたのだ。
同社はその後も学生寮(東急不動産では「レジデンス」と呼んでいる)をどんどん増やしていって、現在は700室を超えている。今年の2〜3月にかけてさらに増やして、合計1000室を突破する見込みだ。
学生寮を建てれば、入居率が高い。しかも、どんどん増えている。となれば、気になるのは「部屋の間取り」だ。椎名町にある物件の部屋を見せてもらったところ、第一印象は「狭い!」である。広さは12〜15平方メートル(7畳)ほどしかないので、玄関を入って数歩進めば部屋の端にたどりつく。そこに風呂、トイレ、洗面台が設置されているので、自由に使えるスペースは4.5畳ほどしかない。
お世辞にも「広い」とは言えない部屋にもかかわらず、なぜイマドキの大学生は学生寮に住もうと思うのか。また、少子化が進んでいるのに、なぜ学生をターゲットにした物件を手掛けるようになったのか。東急不動産で学生寮を担当している玉置康介さんに話を聞いた。聞き手は、ITmedia ビジネスオンラインの土肥義則。
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