土肥: 入居率はどんな感じですか?
玉置: この物件は、1年目に9割を超えました。学生寮を運営していく上での難しさがあって、理想としては、1年生、2年生、3年生、4年生が4分の1ずつ入居してもらいたい。ただ、ここは18年に完成したので、その年に入学した学生(現在2年生)が多いんですよね。
この問題は月日が経たないと解決することが難しいのかなと認識しています。4年生が卒業して、部屋を出ていく。そして、1年生が入ってくる。この循環を繰り返すことで、各学年がバランスよく住んで、入居率も高くなっていくのではないでしょうか。
あと、学生が部屋を選ぶのは、1〜2日で決めるケースが多いんですよね。親と一緒にやって来て、いくつかの物件を見ていくわけですが、何日も見て回るわけにはいきませんよね。それだけ宿泊費もかかるわけなので。また、大学の合格通知が届いて、4月の入学式までに住むところを決めなければいけないので、期間がとても短い。ほかにも用意しなければいけないことがたくさんあるので、物件を探すことにそれほど時間をかけることができないんですよね。
土肥: 知らない土地で暮らすのに、10代の学生が1〜2日で「ここでいいかな」と決めなければいけないわけですね。
玉置: 親が賃料を支払うことが多いので、物件を決める際には、親の声が強く反映されるケースが目立ちますね。この物件を選んだ人に、その理由を聞いたところ「立地がいい」「建物がいい」「セキュリティがしっかりしている」といった声もあるのですが、「カフェで食事をとれる」「友だちと仲良くなれそう」などを挙げる人も多いですね。
建物が完成したとき、社内で「セキュリティがしっかりしているので、入居者の7割は女子学生かな」といった話をしていたのですが、実際には違っていました。男女半々。なぜ想定よりも男子学生が多かったのかというと、親御さんが息子さんの健康面を心配しているから。「自分の息子は料理をしたことがない」「一人暮らしをすると、どんな食生活になるのか想像できない」といった感じで、心配する母親が多く、結果的に男子学生が多いことに。
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