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» 2020年02月25日 08時28分 公開

スピン経済の歩き方:「新型コロナには一致団結で!」と叫ぶ組織が、残念な結果を招く理由 (1/6)

新型コロナウイルスの対応について、各国から批判の声があがっている。クルーズ船に3711人を閉じ込めたこと、乗客を下船させたこと、公共交通機関で帰宅させたこと。日本には“優秀”な官僚や感染対策の専門家がいるのに、なぜこのような事態を招いてしまったのか。

[窪田順生,ITmedia]

 カルロス・ゴーン被告が仕掛けた「日本の司法は中国や北朝鮮と同じ」キャンペーンに続いて、またしても日本の「オレ流」が国際社会で叩かれている。

 新型コロナウイルスがいたるところにまん延するクルーズ船に3711人を閉じ込めて、感染対策の専門家に「アフリカや中国よりもひどい」と指摘されるようなずさんなゾーニングをしたことが各国から「ウイルスの培養器に閉じ込めたようなもの」「日本には防疫の概念がないのか」なんて感じであきれられてしまっているのだ。

 そこに加えて、世界をドン引きさせているのが、二次感染者がでるなどあきらかに感染対策が失敗しているにもかかわらず、ヤケクソ的に乗客たちを下船させていることだ。「せめてあと2週間は施設で隔離しないと感染が広がってしまう」と海外の専門家から批判が相次ぐなかで案の定、公共交通機関で自宅や本国へと帰った乗客のなかから、「陽性」の人たちがポロポロ現れてきている。

 このような日本の対応を、ロシアのプーチン大統領の側近や外務省の報道官が「犯罪行為」とボロカスなように、「日本=感染対策が怪しい国」というイメージを抱く国が増えている。実際、”お友だち”のアメリカでもCDC(疾病予防管理センター)が日本渡航の注意を呼びかけ始めた。

 という話を聞くと、「英国船籍で米国企業のクルーズ船という制約下で、日本ができることは『上陸させない』という対応だけだったのだ!」とか「CDCも英国政府がなにも動かなかったなかで、日本政府はよくやったほうだ!」と日本の正当性を主張する方も多いことだろう。

 なかには、「インフルで毎年もっとたくさん死んでいるのに、欧米の連中は騒ぎすぎだ!」なんて感じで、そもそも新型コロナの脅威を懐疑的に見ている方もいらっしゃるかもしれない。

 ただ、どういう言い訳をしても、国際社会が警戒する未知のウイルスの感染拡大を防ぐことに、日本が失敗し、「適切」と胸を張った船内から多数の二次感染者がでている事実をひっくり返すことは難しい。他国の批判に顔を真っ赤にして反論したり、感染対策の専門家を憎々(にくにく)しくディスったところで、日本の評価は上がるどころかイメージダウンをしていくだけである。要は、「惨敗」なのだ。

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