「原価ミックス」を分かりやすく説明するために、東京の新橋で働く「田中課長」の例をもとに戦略シミュレーションしていきます。
田中課長は仕事帰りに新橋駅に向かって歩いていました。そこで目に入ったのは「生ビール190円!」という居酒屋の看板。今日は真っすぐ家に帰るつもりでしたが、190円という安さに釣られ、ついついお店に入ることに。
最初の1杯目はもちろん190円の生ビール。そして、490円のおつまみを3皿注文しました。最近お腹まわりが気になってきたので、2杯目は290円のハイボールにしました。お酒を2杯飲んで、小腹も満たせた所で田中課長はお会計をしました。田中課長のレシートの内訳は次の通りです。
<田中課長の会計>
■お通し300円×1個=300円
■生ビール190円×1杯=190円
■ハイボール290円×1杯=290円
■おつまみ490円×3個=1470円
A:会計合計2250円
2000円代前半でほろ酔いになれました。「これなら今度、部下の山田主任を連れてきてごちそうしても良いな!」と田中課長も大満足です。
では、ここでお店側の原価を見ていきます。
<お店側の原価>
■お通し300円×1皿=300円(原価60円、原価率20%)
■生ビール190円×1杯=190円(原価163円、原価率85.8%)
■ハイボール290円×1杯=290円(原価60円、原価率20.7%)
■おつまみ490円×3皿=1470円(原価441円、原価率30%)
A:会計合計2250円、原価合計724円、原価率32.2%
どうでしょうか? たとえ生ビールを原価率85%の190円で販売しても、会計合計の原価率はしっかりと32.3%にまで抑えられています。このようにお客様にご満足を頂きながらも、お店の利益をしっかりと残していく戦略のことを私は「原価ミックス戦略」と呼んでいます。
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