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新型コロナ対策の“無人配送”も注目 フードデリバリーで中国トップ「美団点評」の実力とは?(1/4 ページ)

» 2020年03月09日 07時00分 公開
[山谷剛史ITmedia]

 中国のネット系のトップ企業が、バイドゥ(百度)、アリババ(阿里巴巴)、テンセント(騰訊)を並べた「BAT」と呼ばれなくなって久しい。現在はアリババ、テンセントが第1グループで、2社を合わせて「AT」と呼ばれるようになった。

 差をつけられたバイドゥに加え、今回紹介するメイトゥアン ディエンピン(美団点評)、ECのジンドン(京東、またはJD)、ゲームのネットイース(網易)、ECのピンドゥオドゥオが第2グループとなる。このうちメイトゥアン ディエンピンを紹介していきたい。なお、これまでの同社紹介の記事では、「美団点評」の表記が一般的であるので便宜上そう書いていく。

美団の代表的なサービスがフードデリバリー。写真は2018年、上海(写真:ロイター)

 まず、美団点評がどんな会社なのか紹介する。中国に行ったことがある人ならば、山吹色の服を着たフードデリバリーの人を見かけたことがあるだろう。フードデリバリーが美団のサービスの1つだ。美団点評のおかげで多くの人がデリバリーの仕事に就くことができ、中国の雇用問題にも一役買っている。また、街中で見かけるシェアサイクル「モバイク(Mobike)」は、美団が2019年に買収し、「美団単車」という名称になっている。

シェアサイクルの「モバイク」を買収し、「美団単車」サービスを始めた(写真提供:ゲッティイメージズ)

 美団点評の筆頭株主はテンセントで、同社は美団点評の全発行株式の2割を所有し、中国最大の動画サービス「テンセントビデオ(騰訊視頻)」と提携させるなどしている。しかし、テンセント系企業ではなく、独立している。

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