株価暴落をAIで対処 ロボアドTHEOのAIが初の下落感知(2/2 ページ)

» 2020年03月16日 16時11分 公開
[斎藤健二ITmedia]
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グロースポートフォリオ以外への展開も

 THEOは、ファクター投資という考え方に基づいて、株式や債券といったグループ分けではなく、株式からの利益を狙う「グロース」、債券を中心に安定的な利益を得る「インカム」、インフレなどの物価変動から資産を守る「インフレヘッジ」という3つの機能ポートフォリオを持つ。

 ユーザーのリスク許容度などによって、3つのポートフォリオの組み合わせのバランスを変えることで、各人に最適なポートフォリオを作り上げる考え方だ。

 現在のAIアシストでは、このうち「グロース」ポートフォリオの比率調整にだけ対応している。今後は、「インカム」や「インフレヘッジ」ポートフォリオでも、AIアシストを活用することを検討している。

 「インカムポートフォリオは、AIからシグナルが出たら(債券の)デュレーション(※)を調整することになる。インフレヘッジポートフォリオ内での調整も効果的だろう」(同)

※デュレーション:債券の満期までの期間のこと。長いほど、金利変動による債券価格の影響が大きくなる

 またAIからのシグナルを反映するのは現在1カ月に1度だが、頻度をより増やしていく可能性もあるという。

 株価が乱高下するなか、個人投資家の中には早々とロスカットに踏み切った人もいるようだ。しかし、THEOのユーザーは比較的落ち着いている。「解約率は平常時よりは確かに高いが、チャンスと捉えて追加入金する人もいる。3月全体では預り資産は純増となりそうだ」(チーフ・マーケティング・オフィサーの馬場康次氏)

THEOのユーザーへのアンケートより。70%が静観と答え、24%が追加入金と答えた
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