そのようにして台帳のセキュリティが上がると、データのポータビリティが向上する。モノやサービスに台帳丸ごとの情報が紐づけられ、かつ改ざん耐性が高いために情報が信頼できるとすると、いろいろな可能性が見えてくる。
例えば、トヨタで生産されたクルマが、何時どこの店で誰が発注し、誰が担当セールスで、どんなオプションを付けて販売されたかを台帳に記載するのは朝飯前だ。
DCM(車載通信機)を搭載したコネクティッド機能を持つ車両なら、やろうと思えば、何時どこをどんな速度で走ったかの全記録でも台帳に書き込める。あるいは立ち寄った店や場所、旅行先などでさえ記録できるだろう。もちろん無闇に情報を集めても仕方がないし、プライバシーの問題もあるので、それを有意義に生かす方法があるならばだが。
もちろん整備情報だって記録できる。車検や定期点検や修理はどのように行われたか、どんな修理をされたか、どんな事故にあったかも全て記録することが可能だ。そうしたサービス購入によるポイントプログラムの可能性もトヨタは示唆していた。つまりやろうと思えば相当なことができるのだ。
現状、ブロックチェーンは各国の法規制や倫理などのさまざまな面から扱いを検討されており、実際の運用がどのようになっていくかは、まだ分からない。当然プライバシーなどの配慮も必要だ。トヨタはまだ取り組みを開始したばかりで、どういう情報をどのように記録するかについては模索中である。現時点ではあくまでも技術的に可能かどうかの話しかできないが、そういうさまざまな情報を車両や部品に付与することが可能になるとビジネスが変わってくる。
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