クルマはどう進化する? 新車から読み解く業界動向
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» 2020年02月25日 07時30分 公開

池田直渡「週刊モータージャーナル」:強いトヨタと厳しい日産 (1/6)

日本の自動車メーカーは調子が良いのか悪いのか、とくにここ数年中国の景気悪化が伝えられており、その影響が心配される。全体を見て、とにかくこの逆境下で強さに圧倒されるのがトヨタで、ちょっと言葉を失う厳しさに直面しているのが日産だ。スズキとマツダは日産を見るとまだ救われるが、下を見て安心していていい状況とは思えない。概要としては各社そろって、程度の差はあれど逆境である。

[池田直渡,ITmedia]

 2月初旬に国内自動車メーカー各社は第3四半期決算の発表会を行った。各社の本決算の締めは3月末で、そこから資料を作成し、決算発表自体は5月に行われるのが通例だ。第3四半期決算では4月から12月まで、つまり業績的には通期の75%をカバーしていることになり、その第3四半期に立てられる通期予想は実際の着地点がかなり精密に予測されているといえる。つまり、よほどの番狂わせがない限り、通期決算の流れがあらかた分かるというタイミングである。だから年に3回ある四半期決算(4回目は本決算)の中でも第3四半期はちょっと特別なのだ。

(写真提供:ゲッティイメージズ)

自動車メーカーは調子がいいのか悪いのか

 さて、日本の自動車メーカーは調子が良いのか悪いのか、特にここ数年中国の景気悪化が伝えられており、その影響が心配される。

 まずは概要から見ていこう。ちなみに第3四半期の3カ月のみをクローズアップしてもあまり意味がないので、原則的には第3四半期までの9カ月実績を前提に、各社が公式に予測した本決算の予想値で見ていく。その際、予想値を単独で見ても流れが分からないので、比較対象が必要だ。当然、最も理想的な比較対象は前年の本決算であり、その比較に大ブレがある場合は直近5年や10年の数字を並べてみることになる。

 しかし、決算資料のまとめかたは各社まちまちで、前年本決算実績との比較ではなく、第2四半期時の当年決算予測値との比較で出している資料もある。それはつまり最新予測が前回予測に対してどれだけ補正されたかの話になってしまい、各社の業績推移を横並びに比較するには少々都合が悪い。そこで筆者が別途調べて、全ての項目について前年度本決算実績と次回3月本決算見通しの比較に統一した。

 なお利益率などについては資料に掲載されていない社もあったので、それらは各社の投資家向け情報ページなどから個別に抜き出した。どうしてもやむを得ない(つまりデータが掲載されていないか見つからない)ケースでは筆者が独自に算出した。

 時に末尾の桁の数字が微妙に合わないところもあるが、これらは数字の丸め方によるものと思われる。

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