クルマはどう進化する? 新車から読み解く業界動向

強いトヨタと厳しい日産池田直渡「週刊モータージャーナル」(4/6 ページ)

» 2020年02月25日 07時30分 公開
[池田直渡ITmedia]

マツダ

  • 売上高は3兆5000億円で、前年から646億円のマイナス。
  • 営業利益は600億円で、前年から220億円のマイナス。
  • 営業利益率は1.7%で0.6ポイントマイナス。

 マツダは減収減益。売上高のダウンこそ小幅だが、ちょっと限界を迎えつつあるのが利益率だ。もう板子一枚下は地獄である。利益をどうやって上げるのか早急な対策が求められる。ところがマツダは、販売拡大と利益率改善のキーファクターである北米向けの秘密兵器、FRのラージプラットフォームの開発のやり直しを決めた。市場投入は22年の予定だ。

 この戦略製品が現場に届くまでどういう戦いをするのかは大変難しい。普通こういう状況は値引きで凌(しの)ぐのだが、それではマツダが6年かけてやってきたブランド価値販売が元の木阿弥である。やることとやれる時期はハッキリしているので。それまで耐えればいいのだという見方もあるが、いうほど簡単ではないだろう。

三菱

  • 売上高は2兆4000億円で、前年から646億円のマイナス。
  • 営業利益は300億円で、前年に818億円のマイナス。
  • 営業利益率は1.2%で、3.2ポイントマイナス。

 三菱は減収減益。構造的にはマツダとそっくりで、売上のダウンはまあ仕方ないとして、利益が問題だ。特に818億円の減益は、売上規模に対して相当に痺(しび)れる数字。営業利益率が地獄の扉の前で徳俵に引っかかっている水準だろう。これも相当な手段で早急に手を打たないと赤字転落が待っている。

【訂正:2020/03/01 営業利益のマイナス数値が誤っておりました。お詫びし訂正いたします】

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