クルマはどう進化する? 新車から読み解く業界動向

強いトヨタと厳しい日産池田直渡「週刊モータージャーナル」(2/6 ページ)

» 2020年02月25日 07時30分 公開
[池田直渡ITmedia]

各社の業績見通し

トヨタ

  • 売上高は29兆5000億円で、前年通期に対し7256億円のマイナス。
  • 営業利益は2兆5000億円で、前年に325億円プラス。
  • 営業利益率は8.5%で、0.3ポイントプラス。

 トヨタは減収増益。売上こそダウンしているが、元々高い水準の利益率をさらに増やしているあたりを見ても、胸を張れる通期決算予想となっている。15年のプリウス以来取り組んできたTNGAなどの体質強化政策がまさに実を結んで来た感じがヒシヒシとする。元々が、リーマンショックでの業績ダウンを反省材料に作り上げられたメソッドだけに、荒れた局面にはめっぽう強いのではないか。

ホンダ

  • 売上高は15兆1500億円で、前年から7386億円のマイナス。
  • 営業利益は7300億円で、前年に37億円プラス。
  • 営業利益率は4.8%で0.2ポイントプラス。

 ホンダは減収増益だが、増益幅は小さい。とはいえ市況全体が需要を落としている中で、プラスにしているという意味では健闘している。なのだが、内容はあまり良くない。例えば直近の3カ月販売台数を見ると、日、米、中のホンダの主要マーケット全てで減数。四輪事業全体でのマイナスは11.4%。北米と中国への依存度が高いホンダだが、特に昨今中国への傾斜が大きく感じる。安定度が高いとは言えない中国経済の先行きに大きく影響を受ける可能性が高い。

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