荒波市場に船出、長期投資での強み見せるか ゴーゴー・バランス 5.5倍の狙いを聞く(2/4 ページ)

» 2020年03月25日 07時55分 公開
[斎藤健二ITmedia]

――ゴーゴー・バランスでは、株式、債券、不動産に加えて、新たに金を入れ込んだ。

有賀 3倍3分法のレバレッジ比率をそのまま増やすことはできない。例えば日経平均指数のレバッジでも2倍から3倍にすると、いろいろと効率が落ちやすい。リスク・リターン効率を落とさずに、リスク量を増やそうとすると、分散を増やさないといけない。金は株やREIT(不動産)、債券との相関が低いので、分散効果としては非常にいい。さらに、金にも長期的なリスク・プレミアム(リスクに対するリターン)があるという前提だ。

レバレッジを上げるにあたり、分散効果をさらに出すために金を組み込んだ。2003年からの累積リターンで見ると、金は世界株式に近いリターンとなっている(日興AM資料より)

――5.5倍というレバレッジ比率を設定した理由は?

有賀 ゴーゴー・バランスでは株式の代替でありたいという思いもあったので、まず株式比率が100%相当になるようにした。その上で、3倍3分法と同様に、「株式とREIT」と「金と債券」のリスクが釣り合うよう大まかなリスクパリティを取った。これ以上レバレッジ比率を上げると効率が落ちるという比率だ。

 先物の証拠金の積み増しや、投資家の解約に備えた資金繰りの制約もある。現金(外貨を含む)と日本国債の合計保有比率は75%程度をめどとしている。

――組み込む資産のリスクを同量にするというリスクパリティの考え方を教えてほしい。

有賀 リスクパリティというと、市場の値動きによるリスクの増減によって組込比率を変えていくというイメージがあるかもしれないが、3倍3分法、ゴーゴー・バランスともに、基本となる資産配分を決めるにあたって、リスクパリティの考え方を用いた。

 各資産のリスクが変動しても、定期的にリバランスを行うことはしていない。一定のレンジをはみ出したら元に戻す運用だ。現在、市場が荒れているためリバランスは起こっているが、厳密さはあまり追い求めていない。

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