アイティメディアはこのほど、企業の新型コロナウイルスへの対応に関する調査を実施した。その結果、新型コロナウイルス対策としてテレワークを行っている企業が、前年と比較して3倍以上に増え、全体の6割を超える結果となった。
総務省が発表した「令和元年版情報通信白書」によると、テレワークの導入企業は「19.1%」だったが、新型コロナウイルスの影響を受けて導入企業は大幅に増加する結果となった。今回の調査でテレワークを行っていると回答した企業は全体のうち31.1%。「以前から行っている」と答えた32.9%と合わせると、64.0%がテレワークを実施しており、1年ほどで3倍以上増加した。
ただ、新型コロナウイルスの影響を受けて突発的に実施している企業も多いのか、テレワークを「通常出勤時」と比較して、「業務効率が向上したと感じている」と回答した企業は34.2%にとどまった。「感じていない」と答えた企業は20.4%。最も多い回答は「どちらともいえない」(45.4%)という結果に。
テレワークをしつつ、業務効率を向上させるカギは「業務の切り分け」にありそうだ。
業務効率の向上を感じていない理由には、「個人の作業は効率化されるが、チームや他部署連携する作業は遅延傾向にある」「社内コミュニケーションがとりづらくなった」など、主にコミュニケーション面でのコメントが目立った。Web会議ツールを導入する企業も増えているが、やはり実際に対面して行うのと、インターネット上で行うのとでは違いや不便を感じる人も多いようだ。また、「サーバ管理上の問題」「利用者急増にネットワークが追い付いていない」など、根本的な制度面への不満もあった。一方で、業務効率の向上を実感している声には「提案書作成など個人で時間が必要な場合はリモートだと効果的」といった意見が挙がった。
ここ最近は、効率性の向上もそうだが、新型コロナウイルスの感染拡大を避けるという目的でテレワークを実施する企業も多い。こうした場合には、「全社一斉で、全ての業務をテレワーク」など、硬直的な導入もやむを得ないこともある。しかし、理想形としては、会議などは午前中にまとめ、午後は個人の作業を行うとするなど、明確に「時間」で作業を切り分けることがテレワークを業務に組み込むうえで有効だといえそうだ。今回の“緊急事態”を1つのチャンスと捉え、制度の構築や自社にどういった導入方法が適しているのかを確かめる機会としたい。
調査は3月9〜13日、アイティメディアの顧客やアイティメディアID会員426人を対象に、インターネット上で実施した。
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