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» 2020年03月31日 05時00分 公開

コロナショックで悲鳴上げる中小企業とフリーランス 弁護士が語る「経営者が使うべき政府の支援策」資金繰りの苦悩(1/3 ページ)

新型コロナで影響を受ける中小企業の経営者向けに政府などが打ち出している支援策について弁護士が解説する。大きく(1)資金繰り支援(2)雇用維持支援(3)設備投資・販路開拓支援(4)税・保険料の支援という4つの支援がなされている。風評被害によってさらなる業績悪化も考えられる。

[安藤哲朗,ITmedia]

 新型コロナウイルス感染症の影響により、多くの人々のライフスタイルの変更が余儀なくされただけでなく、日本経済は深刻な影響を受けています。外食産業・観光業をはじめとする各種業界に大打撃を与えているのは周知の通りです。 

 特に、経営体力のある大企業に比べ、運転資金に余裕のない中小企業・小規模事業の経営者は、その資金繰りや経営戦略について難しい判断を迫られています。当職にも「売り上げが下がり続けていて、このままだと店を閉めるほかないがどうすればよいか」と悲鳴のような相談が後を絶ちません。そこで、現在、新型コロナウイルス感染症で影響を受ける経営者向けに政府などが打ち出している支援策について解説したいと思います。

 大きく(1)資金繰り支援(2)雇用維持支援(3)設備投資・販路開拓支援(4)税・保険料の支援という4つの支援がなされています。

phot 新型コロナウイルス感染症の影響により多くの中小企業が大打撃を受けている(写真提供:ゲッティイメージズ)

政府等の支援策

 国、政府系金融機関、地方公共団体などが主体となってさまざまな支援策を打ち出しています。その内容は日々更新されておりますので、継続的なウォッチングが必要です。経済産業省や中小企業基盤整備機構(J-Net21)の新型コロナウイルス関連のWebサイトが横断的にまとまっていますので、ご確認ください。以下で、概略のみ記載します(2020年3月24日20時時点)。

(1)資金繰り支援

 まずは、売上減少により資金繰りに苦しんでいる経営者の方々は、運転資金の確保のため、融資や信用保証などを検討される方も多いでしょう。

意外とある「無利子・無担保」の融資

(1)新型コロナウイルス感染症特別貸付等

 日本政策金融公庫などでは、新型コロナウイルス感染症による影響を受け業況が悪化した事業者(事業性のあるフリーランスを含む)に対し、融資枠別枠の制度を創設しています。信用力や担保に依らず一律金利とし、融資後の3年間まで0.9%の金利引き下げが実施されます。

 据え置き期間は最長5年なので、当面元本返済が不要となります。3月17日より制度適用が開始されています。類似の制度として商工組合中央金庫(商工中金)による危機対応融資があり、4月中旬より制度適用が開始されます。

 最近1カ月の売上高が前年または前々年の同期と比較して5%以上減少(業歴により差があるので詳細は経済産業省のWebサイトなどをご確認ください)していれば融資の対象となります。

(2)特別利子補給制度

 上記の新型コロナウイルス感染症特別貸付もしくは危機対応融資により借入れを行った中小企業者などのうち、特に影響の大きい事業性のあるフリーランスを含む個人事業主、また売上高が急減した事業者などに対して、利子補給が実施されます。

 適用対象については、(1)個人事業主(事業性のあるフリーランスを含み、小規模に限る):要件なし、(2)小規模事業者(法人事業者)は売上高15%の減少、(1)中小企業者(上記(1)(2)を除く事業者)は売上高20%減少となっています。適用されると借入後当初3年間は利子補給がされます。

(3)実質的に無利子

 上記の通り、新型コロナウイルス感染症特別貸付等と特別利子補給制度を併用することで、当初3年間は実質的に無利子となります。資金繰りが悪化している経営者としてはまず利用を検討すべき制度であると思います。

phot 新型コロナウイルス関連のトピックが並ぶ(中小企業基盤整備機構の新型コロナウイルス関連のWebサイトより)
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