この記事の掲載準備をしている最中、こんなニュースが飛び込んできた。朝日新聞が、カナダのナショナル・ポスト紙の発表があった1週間後の4月7日、「新型コロナウイルス感染拡大への対応で記事を原則無料で公開いたします」と発表した。「朝日新聞デジタルがお届けする迅速・正確なニュース情報をご覧いただくことで、不確実な情報による皆様の不安やストレスを軽減し、心身の健康維持の一助となることを願っております」という。
ただ残念なのは「ご利用いただくためには、こちらから無料会員へのご登録をお願いします」というハードルがあることだ。これではせっかくの無料公開も拍子抜けで、登録を躊躇(ちゅうちょ)する人は少なくないだろう。
事実、過去の調査では、インターネットを使う上で「ユーザー登録が面倒」という声が6割を超えていたり、「約80%のユーザーは会員登録時に不安」という調査結果が報じられたりしている。海外の調査でもそれは同じである。
ユーザー登録させ、後の「販促」につなげようとしているのではないかと訝しむ向きもあるだろう。朝日新聞が嫌いでしょうがない人たちなら、「混乱に乗じている」と批判する人もいるかもしれない。
公益性を第一に考えるなら、そこは思い切って「無料公開」してほしいものだ。
ビジネス的に見ても、社会に貢献する新聞メディアとして、イメージアップにもつながるかもしれない。新聞が読まれなくなったと言われ、発行部数の減少が止まらない昨今、デジタル方面で力を入れる意味でも、公式サイトのニュースをしばらく無料で開放してみるのも一案ではないか。
米国の新型コロナ“急拡大”で迫りくる「中国復活」の脅威
新型コロナでデマ拡散「インフォデミック」に踊らされない“リテラシー”とは
“テレワーク急増”が弱点に? 新型コロナで勢いづくハッカー集団の危険な手口
新型コロナによる「自粛」、世界の人は何をしている? テレビ会議が浸透、ベビーブーム発生の予想まで
僕らのヒーローだったジャッキー・チェンが、世界で嫌われまくっている理由Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング