軽減税率で優遇される「新聞」が今こそやるべき、新型コロナ情報の“無料化”世界を読み解くニュース・サロン(6/6 ページ)

» 2020年04月09日 07時00分 公開
[山田敏弘ITmedia]
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 米国では、そんな価値がある地方紙でも、インターネットの普及によってデジタル版が増えたことで、部数が大幅に減っている。広告費で見れば、2008年から18年の間に全体で68%も減少。地方紙の数は、過去15年で5分の1にまで減っている。

 そこでFacebookが、合わせて1億ドルを提供して地方紙などを支援する。目的は、新型コロナウイルスが猛威を振るっている今、最も求められている正確で信頼できる情報を各地域に届けてもらうためだ。地方の住民にメディア・リテラシーを意識してもらう効果もあるだろう。

 そうすることで、正しい情報が国民に届けられる。「Mary Brown's Chicken & Taters」やFacebookのような試みは、感染が広がっている間だけでも、全世界的にムーブメントとして行われてもいいのではないだろか。特に、フェイクニュースが蔓延(まんえん)していると懸念されている今こそ。

 今回の混乱によって、メディアの在り方を見直すきっかけになるかもしれない。朝日新聞の動きは評価できるが、日本でもこの国難にあって、政府から情報を優先的にもらったり税金を優遇してもらったりしている新聞社には公益性を重視した取り組みを見せてほしいものである。

筆者プロフィール:

山田敏弘

 元MITフェロー、ジャーナリスト、ノンフィクション作家。講談社、ロイター通信社、ニューズウィーク日本版に勤務後、米マサチューセッツ工科大学(MIT)でフルブライト・フェローを経てフリーに。

 国際情勢や社会問題、サイバー安全保障を中心に国内外で取材・執筆を行い、訳書に『黒いワールドカップ』(講談社)など、著書に『ゼロデイ 米中露サイバー戦争が世界を破壊する』(文藝春秋)、『モンスター 暗躍する次のアルカイダ』(中央公論新社)、『ハリウッド検視ファイル トーマス野口の遺言』(新潮社)、『CIAスパイ養成官 キヨ・ヤマダの対日工作』(新潮社)、『サイバー戦争の今』(KKベストセラーズ)がある。テレビ・ラジオにも出演し、講演や大学での講義なども行っている。


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