今後、顧客へのアドバイスを付加価値とし、そこを利潤とする世界へ進む中で、それを実現するプラットフォームを金融機関が構築できるよう、各種サービスを提供しようというのが日本資産運用基盤グループの構想だ。「自分たちで投資一任契約を作ってアドバイザーに提供するには大きなコストがかかる。これまでと全く別の投資一任契約なので、ノウハウもない。そこで金融機関がアウトソースできる各サービスを提供する」(大原氏)
現在の投資一任契約では、ロボアドバイザーで1%程度、ラップ口座では3%を超える手数料を取るものも少なくない。大原氏は、「アドバイスの年率付加価値は3〜4%程度。これを超える手数料は正当化しにくい。(当社などに)アウトソースすることで、1〜2%程度の手数料で投資一任契約サービスを提供できるのではないか」と見る。
付加価値はあくまで対面によるアドバイスにあるため、プラットフォームのコストは抑え、顧客が払うコストの多くをアドバイザーへの報酬に当てるイメージだ。日本資産運用基盤グループでは、2020年内に、裏側の事務処理まで含めたパッケージを提供する計画としている。
米国では、ロボアドバイザーの発展型として、対面でこうした投資アドバイスを行うサービスが人気となっており、売買手数料や運用手数料に代わる新たな付加価値、利潤となってきている。投資のリターンではなく、最終的なゴール達成のサポートが、新たなサービスとして根付くかが注目される。
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