#SHIFT

新型コロナ“緊急事態”下でも従業員を守り抜くために 知っておくべき各種支援制度どうする「新型コロナ緊急事態」(2/5 ページ)

» 2020年04月22日 05時00分 公開
[新田龍ITmedia]

緊急事態宣言下での休業は、休業手当支払いの対象外?

 この休業手当を巡って先日、一部報道が話題になった。その内容とは「緊急事態宣言で休業となった場合、会社都合ではなくなるため、休業手当支払いの対象外となる」というものであった。

 これに対して「休業手当がもらえなくなるかも!」「生活はどうなる? 補償はされるのか?」と混乱が起きたが、数日後に厚生労働大臣が記者会見で「一律に、直ちになくなるものではない」と否定している。

休業手当を巡ってはあいまいな態度が目立つ(出所:厚生労働省公式Webサイト)

 今回の緊急事態宣言は、ウイルスが原因であり、外出自粛要請も出ている。そのような状況下での休業は、経営者にとっては「不可抗力」ともいえる。となると、休業は「会社都合」ではなくなるため、法律通りに解釈すれば「休業手当は出ない」ということになってしまう。

 厚労相はそれを否定してはいるものの、支払いの要否については「営業は休止していても、他の業務や自宅勤務など、従業員を就かせる仕事があるかも含めた総合的な判断」と説明しており、どこまでが「不可抗力」で、どこからが「会社側の責任」になるのか、解釈が曖昧なところは問題だ。政府や厚労省はもっと明確な指針を示すべきであろう。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.