#SHIFT

記者が体験した、Zoom発表会のベストプラクティスアフターコロナ 仕事はこう変わる(4/5 ページ)

» 2020年05月27日 07時00分 公開
[斎藤健二ITmedia]

 3つ目は、未だによい解決法を取っている発表会に巡り会えていないのだが、名刺交換だ。記事にする際に、タイトルや名前をしっかり確認したいが、名刺をいただかないと正式なところが分からない場合もある。また、後日連絡を取りたいと思った時、現状のZoom発表会では連絡先が分からない。

 名刺管理サービスを提供するSansanは、「オンライン名刺交換」機能を6月にリリースすると発表している。実際に使ったことがないため、使い勝手などは分からないが、早く実用化してほしい(オンライン名刺についてSansanに聞いた。)。Sansanに限らず、そのうちどこかがベストプラクティスを編み出してくれるのではないかと期待している。

コンカーの発表会では、登壇者紹介のページがしっかりと設けられ、発表者の背景にはバーチャル背景機能を使い、所属企業とタイトル、名前が記載されていた。たいへんありがたい工夫だ

 4つ目は、録画の公開だ。オンライン発表会の最大の難点は、音声が不明瞭で断続的に途切れることがあること。ネットワーク環境の問題だと思うが、言っていることを聞き取れなかったり、誤って聞き取ってしまうことがコワイ。この場合、視聴側で音声を録音しても解決にならない。Zoomには録画録音機能があり、主催者側で行っているはずだ。これを、発表会終了後すぐに公開してもらえると、ありがたい。フルオープンにする必要はないので、パスワード付きの場所でも構わない。

 5つ目は、時間の管理だ。Zoomで行う場合、開始の10分くらい前にはミーティングルームを立ち上げておいてほしい。マネーフォワードの発表会では、開始前から発表会のタイトルやロゴなどを画面に表示し、軽く音楽を掛けていて、これには感心した。時間ぴったりにミーティングルームに入るのは、意外に難しい。事前に入ると「ホストの開始をお待ち下さい」と出てがっかりする。そして、開始数分後に入ると、すでに本題が始まっているということも何度かあった。

 また移動時間がないために、分刻みで予定を入れてしまうZoom発表会では、終わりの時間管理も重要だ。ずるずるとスケジュールが押して、結局質疑応答に参加できずに退席することになった発表会も、いくつかあった。

 最後は、オンライン発表会のトンマナの共有だ。オンライン発表会では、記者側はマイクやカメラをオフにして参加することが多い。ところが、小規模なものでは「お互い顔が見えたほうがいいので、カメラをオンにしてください」と、発表会の最中に言われることがある。こちらはそんな想定をしていないので、相当適当な格好をしている。こちらのビデオ表示が必要な場合は、最初に言ってもらえるとありがたい。

 インシュアテックのjustInCaseが開催したZoom発表会では、会の進行やウェビナー上でのルールなどを明記し、チャットで掲示してくれていた。また、コンカーの発表会でも、注意事項を提示してくれていた。まだ業界標準の進行方向が定まっていないため、こうしたルールをあらかじめ出してもらえるのはたいへんありがたい。

コンカーの発表会での注意事項。「会見中の写真を、後ほど送付」という取り組みは意外にありがたい。ただし、終了後、30分以内には送ってほしいところだ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.