マスクの自販機に大行列! グンゼやライトオンも参入して盛り上がるマスク市場長浜淳之介のトレンドアンテナ(3/5 ページ)

» 2020年06月04日 05時00分 公開
[長浜淳之介ITmedia]

ラグビー日本代表の靴下を製造した老舗も本格参入

 靴下メーカーのタイコー(長野市)では、5本指の靴下や手袋をつくる「ホールガーメント」という無縫製で編み上げる機械を使って、4月6日から「アミマスク プロトタイプ」を販売している。

 同社は1949年創業。ラグビーワールドカップ日本大会で、日本代表が着用した靴下を製造した実績がある。美容関係の会社からの依頼で、もともと製造していたシルクのマスクを改良して商品化した。

 アミマスクの素材は綿100%で、抗菌防臭加工が施されている。価格は1650円で、3サイズを用意した。自社通販サイトのみの取り扱いだったが、発売の1週間ほど前に地元の新聞に報道され、2000枚が5分で売れた。その後、4月27日、30日、5月17日にも販売し、合計1万3000枚ほどに到達している。リピーターが多く、夏には通気性や冷感機能が求められるので、6月から7月にかけて新しい商品を投入する計画だ。

タイコー、アミマスク プロトタイプ(出所:タイコー公式Webサイト)

 ユニークなところでは、セーターなどを製造するニットワイズ(山形県山辺町)が、3月に山辺町と山形市にマスクの自動販売機を2台設置した。自動販売機ならば、感染のリスクがないと考えたからだ。

 当初は全く売れなかったが、3月末に突然ブレーク。1日400〜500枚が売れ、大行列ができるようになった。東京や大阪の親類や友人に送りたいという人も多く並んでいる。夏用として、涼感を高めつつ70回洗えるマスクも販売する。

ニットワイズ、マスクの自販機(出所:ニットワイズ公式Twitter)

 さらには、マスクの4隅のポケットに保冷剤を入れられるようにした、新発明の冷やしマスクを1個1300円で販売予定。地元で有名な「冷やしシャンプー」に続き、山形の猛暑を乗り切る名物にしたいと同社では意気込んでいる。今後、自社ECサイトの他、商社経由で大手量販店や海外にも販路を開拓する。

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