医療用ガウン(アイソレーションガウン)に進出する動きもある。
ワールドは医療用ガウンを国内の工場で生産する。9月末までに150万枚を生産予定。日本政府への納品を優先し、その後は自治体への販売も行う。本社がある兵庫県から10万枚、神戸市から2万枚を受注した。医療用ガウンは、薬局や食料品売り場などでも利用が進むと見込んでいる。
アパレルアイも、法人、学校、病院向けの医療用ガウンを、150着から用意できる体制を構築している。エプロンタイプとつなぎタイプから選べる。
エミネントでも長崎県の工場で医療用ガウンを試作しており、近県の医療機関や自治体等のニーズに対応していきたいとしている。
また、アパレル各社は社会貢献活動の一環として、マスクのみならず防護服を無償提供している場合も多い。
前編でも紹介したように、マスクや防護服は、ステイホームによって需要が減退し苦境に立つアパレルの、ものづくりの力を改めて示している。また、これを機会に自社ECサイトの販売が急増しており、大手ECモールに頼らない強靭さを備えつつある。
長浜淳之介(ながはま・じゅんのすけ)
兵庫県出身。同志社大学法学部卒業。業界紙記者、ビジネス雑誌編集者を経て、角川春樹事務所編集者より1997年にフリーとなる。ビジネス、IT、飲食、流通、歴史、街歩き、サブカルなど多彩な方面で、執筆、編集を行っている。共著に『図解ICタグビジネスのすべて』(日本能率協会マネジメントセンター)など。
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