喜多: 今回はもう少し複雑です。今までの変化の契機と違い、各企業ではDX(デジタルトランスフォーメーション。企業のビジネスモデルや制度などのデジタル化)がコロナ前からうたわれていたからです。たまたまコロナによるテレワーク化をきっかけに、これらを企業も個人も経験した点が大きい。一方でリーマンショック時は、今ほどICTの環境も整っておらず、手に職のある人も働き方で仕事を選べてはいませんでした。
――今回、企業によってはテレワークの成果を見て、オフィス自体を撤廃したところも出てきています。
喜多: テレワーク化は職種や地域で差が出ています。ホワイトカラー中心に活用されている一方、建築・土木、運送業界などリアルな現場で働く人への推進は難しい面もあります。大都市圏以外ではそれほど進んでいないという問題もあります。
ただ、企業も個人もテレワークで業務が進められるとの体験を得て、緩やかに導入されていくと我々は捉えています。加えて企業の脱オフィスや、従業員の服装のカジュアル化も進むでしょう。
そうすることで、働き手個人の力量によっては(テレワーク化を契機に)オフィスに一定時間拘束され、自分の裁量で仕事を進められない環境より、個人の価値観を(仕事選びで)優先する傾向が出てきていると思います。
そして裏返して言えば、企業側にとってはそうした人材の獲得やマネジメントが非常に難しくなる、ということでもあります。
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