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» 2020年06月12日 08時00分 公開

“AI歓迎”の声も多い?:人事を変えるAI 人事部に求められる役割は? (4/4)

[小林啓倫,ITmedia]
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 それはAIの開発および運用を的確に・適正に行える人材、いわゆる「AI人材」の確保だ。

 近年「第3次AIブーム」と呼ばれるほど、社会全体からのAIへの注目が高まったことで、その具現化を担うAI人材の争奪戦が起きている。そうしたAI人材に含まれているのは、純粋な技術者だけではない。AIが前述のような問題を生じさせることなく、正しく開発・運用されるためには、ビジネス側にもAIリテラシーを持つ人物を配置しておく必要がある。

 例えば19年6月に日本の内閣府・統合イノベーション戦略推進会議が決定した「AI戦略2019」では、「AI時代に対応した人材」として「最先端のAI研究を行う人材」「AIを産業に応用する人材」「中小の事業所で応用を実現する人材」「AIを利用して新たなビジネスやクリエーションを行う人材」という、複数の種類を挙げている。

 そしてこうした人材が不足しているために、迅速に育成を進める必要があるとの認識を示し、「多くの社会人(約100万人/年)が、基本的情報知識と、データサイエンス・AI等の実践的活用スキルを習得できる機会をあらゆる手段を用いて提供」や「地域課題等の解決ができるAI人材を育成(社会人目標約100万人/年)」といった施策を掲げている。

 しかしこれだけのAI人材を急速に増やすというのは、そう楽な話ではない。となれば、各企業はAI人材の社内での育成・外部からの獲得・確保した人材の維持を達成する戦略を練る必要があるだろう。

 例えばシリコンバレーでは、AIエンジニアの年収が数年で倍以上になり、現在では日本円で5000万円程度にまで達しているといわれる。優秀な技術者を確保したければ、この水準は無理だとしても、何らかの特別なインセンティブを設けるためにこれまでの給与体系を見直していかなければならないだろう。そうした議論を束ねるのは、もちろん人事部の役目だ。

 どんな時代でも、企業の根幹を成す「人」に関わる業務を担当する人事部は、企業の将来を左右する存在だ。しかしAI時代に突入しようとしているいま、人事部の重要性はさらに増しているといえるだろう。自らAIを利用し、その成功にどのような才能が必要なのかを見極めた上で、AI人材の確保に尽力してほしい。

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